農業の担い手不足を解消し、代々受け継いできた農地を守っていこうと、JA相模原市相模大野支店(南区上鶴間本町)組合員の地元農家有志らが集まり、12月6日(土)に「相模大野朝市会」を初開催する。
畑の価値
「一生懸命農作物を作り、お金にする喜びを、若い人に知ってもらいたい」と朝市会会長の渋谷久夫さん(54)=南区上鶴間本町在住=はねらいを語る。
渋谷さんは現在、上鶴間本町の自分の畑でじゃがいもや白菜など、季節の野菜を作っている。農業だけでなく賃貸管理業との兼業だ。「この辺りの農家はだいたい兼業。(固定資産税が優遇される)生産緑地ならまだしも、そうではない宅地の畑が多く、正直農業をやっても実入りはほとんどない」。渋谷さんの畑も宅地だが、それでも農業を続ける。「畑を売ってお金にするのは簡単だけど、代々の土地を受け継いでいくことも我々の一つの役目だから」。さらに、「万が一の時のための災害対策用地や、景観保全としても必要なものだと思う。家の近所に畑があるという環境に価値がある」と続ける。渋谷さんの畑には、近隣の幼稚園児が土いじりに来ることもあるそうだ。
「継いでもらいたい」
しかし近年は後継者不足で、畑を手放す農家も多い。そこで、以前から案が出ていた朝市会を組合員有志で発足。収穫が良い冬のこの時期に開催する運びとなった。「自分で作ったものが良ければ、おいしいと評価される。やればやるだけ収入になり、やる気も起きる。会社勤めをしている我々の子どもの世代に、そういうことを伝えて、いずれは畑を継いでもらいたい」と渋谷さんは期待を込める。もちろん、朝市を始めればすぐに若者が農業を始めるとは思っていない。まずは自由に作物を販売できる場を作り、それを継続させることで、徐々に若い世代に参加を促していきたい考えだ。
露地野菜が並ぶ
これまで、南区合同庁舎で行われている市民朝市やJAが運営する直売所など、各自の販売網はあったものの、相模大野界隈で地元農家有志が集まって販売をするという動きは近年ではなかった。「ただ集まればいいわけでなく、周りの農家との知識や技術の交流の場にもなれば」と渋谷さんは話す。
朝市会には10軒ほどの農家が出店を予定。じゃがいも、大根、白菜といった取れたての露地野菜が生産者価格で販売される。会場は旧国道沿いにあるJA同支店の駐車場。時間は午前9時から11時で、雨天決行。今後、毎週土曜日に開催していく予定という(前月に予定を掲示)。また同会では出店者も募集している((問)【携帯電話】090・2453・8019渋谷さん)。
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