南区上鶴間本町の市立鶴園小学校(鈴木康仁校長)周辺は、国道16号への抜け道として使われるなど交通量が多く、通学中の児童の安全が危惧されている。このたび、「児童の交通安全のために」と近隣住民からの寄付があり1月25日、道路を横断する際に使う旗を入れる箱が「鶴園小学校おやじの会」(阿部幸信会長)によって設置された。
同校では、児童の保護者や学校職員、地域住民ら有志が通学路に立ち、交通指導の旗振りなどが行われている。また、児童が登校する時間帯の交通制限など、市や警察に対しても対策を要望しているものの、抜本的な解決には至っていない。
そんな中、上鶴間本町在住で、同校の通学路をよく車で通る小山義昭さん(76)は、辺りが暗くなると、児童らが手を挙げて横断歩道を渡ろうとしてもよく見えず、危険だと感じていた。「黄色くて目立つ横断旗を持って渡れば、遠くからでも見えるのではないか。でもどこにも旗が設置していなかった」。そこで小山さんは昨年7月頃、学校への横断旗の寄贈を発案。そして、12月に「子どもたちの交通安全のために使って欲しい」と、市に総額100万円の寄付を行った。
新学期に備え
今回、同校では寄付金の一部を活用して、旗を入れるための箱を手配。PTA組織の一部で、児童の父親らで組織される「おやじの会」が、通学路で通行が危険と見なされた場所のうち6箇所に設置した。箱には黄色い蛍光テープを貼るなどして、通学路を通る車両に安全運転をPRするための工夫が施された。同会によると横断旗は、児童が安全に使用できるよう学校で指導を行ったうえで、配置をしていく予定という。
市学務課では、小山さんからの寄付について、「市内の各小学校に意向を聞きながら、交通安全のための物品購入に使わせてもらいたい。横断旗や交通誘導員が着用する安全ベストなどを検討している」と話した。
このほか、寄付金の一部で南大野小学校と谷口小学校に、交通指導員が着用するための安全ベストが寄贈された。
横断旗に関しては、1981年から昨年まで毎年、一般社団法人神奈川県トラック協会相模原ブロックから市への寄贈が行われていたという経緯がある。
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