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絵本作家楠千恵子さん 『幻の絵本』の原画展  「大切な人への愛、感じて」

文化

公開:2016年4月14日

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絵本「チカチカとヘイヘイ」(遊行社)を手にする楠さん
絵本「チカチカとヘイヘイ」(遊行社)を手にする楠さん

 八王子市の絵本作家、楠千恵子さんの絵本『チカチカとヘイヘイ』(遊行社)の原画展が、4月24日(日)から南区南台のカフェギャラリーR2で行われる。この絵本は、インターネット上で不特定多数へ支援を呼びかける、クラウドファンディングで実現したもの。一時は話が進んでいた出版社が倒産するなど紆余曲折を経て、大勢の支援者によって発行されたこの『幻の絵本』の原画8点が展示される。

義妹の「がん」が製作の契機に

 約15年前、楠さんの夫の妹・吉田美佐子さんにステージの高い「がん」が判明した。「知った時はとにかくショックで。辛くてお見舞いにも行けなかった」と楠さん。本当の姉妹のように家族ぐるみの付き合いをしていた楠さんと美佐子さん。自分に何かできないかと考え、以前から絵本を手掛けていた楠さんがある夜思い浮かんだのが、2匹の魚を主人公にしたこの物語だった。元気で明るい”チカチカ”と控えめな”ヘイヘイ”の、海の中でなされるやりとり。それはまさに、元気な義妹と、その明るさに引き寄せられる楠さんの2人の関係そのものだった。「たとえ病気になっても大事な人は、そこにいてくれるだけで嬉しい。普段あまり口にできない他者への愛を絵本で伝えられたら」。その後、美佐子さんは無事回復。一方で、製本化の話が進んでいた出版社が倒産してしまい、この物語は数年間お蔵入りに。しかし「全国の病気と闘っている子どもたちへ届けたい」との思いから、楠さんの娘さんの協力を得てインターネットで支援を呼びかけた。2カ月後には目標金額に届き300冊を発行。うち半数以上を全国100カ所以上の小児病棟などへ届けた。その後、この取組みを知った出版社「遊行社」が市販本として2015年9月に刊行。現在も全国の書店に並んでいる。

「深い青」を間近に

 絵本制作にあたり楠さんがこだわったのが、物語の核となる海の色。楠さんが新聞記事で目にした深い青に惹かれ訪れた個展で、イラストレーターで画家のYUJIさんと出会い絵を依頼。二人三脚で作り上げた。「YUJIさんや大勢の支援者のおかげで絵本ができ、R2さんとの出会いで原画を見て頂く機会もできました。人とのご縁というものを強く感じます」と楠さん。

 展示は24日〜5月7日(土)(29日、5月5日休)。午前11時〜午後6時(最終日5時)、入場無料。また最終日はハープ演奏・絵本の読み聞かせも。午後1時〜3時〜の2回で参加2千円(お茶菓子付)、要申込み。

 問合せは【電話】042・785・3533同ギャラリーへ。

海の中は様々な青で表現される
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