大野台すみれ自治会(熊木親生会長)の自主防災隊が、在宅時に災害が起きたことを想定し、住宅地内の空き地などを使った「街中防災訓練」を初めて実施した。同自治会をはじめ32自治会を担当する大沼分署では、「管内でも初めての訓練」だと話している。
「これまでの訓練は小中学校のグラウンドに集合し、消火活動や起震車の体験などイベント的な要素が強かった。ただ、災害は住宅にいる時に起きる事も想定される。震災を想定し、より実際の状況に近い形の訓練を行いたかった」と同自治会自主防災隊の隊長でもある熊木会長は話す。
家の近所で火災や塀の倒壊が起きた場合にどう対応するか、広域避難所にたどり着けない場合の対処など、より実践的な訓練を模索。そのような状況を想定した上での消火や救助、避難などを企画した。また、安否確認をスムーズにするため、自分の家に被害がなく住民も無事である場合には「玄関ドアにタオルをかける」という約束事を自治会内で事前に統一。今回の訓練に取り入れた。
当日は同自治会約880世帯のうちタオル掛けに130世帯、戸外での訓練に80人が参加した。一時避難所に自主防災隊本部を設置し、自転車を使って情報を集約。近所の住民同士で連携しあい、初期消火や閉じ込められた人の救助などを行った。また、自治会内にある介護施設の利用者を車いすで一時避難所に搬送したり、骨折時の応急処置として固く折った新聞紙やサランラップを添え木や包帯の代用品とする訓練も行われた。
訓練を終えた熊木会長は「行政などによる『公助』が入るのには時間がかかる。その前に近所の一人ひとりが協力して助け合う『近助』の意識を高めていきたい」と話した。
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