神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

古淵在住伊藤さと子さん 書の「最高賞」受賞 ひたむきに進み掴んだ栄光

文化

公開:2017年8月10日

  • X
  • LINE
  • hatena
賞状を手にする伊藤さと子さん(中央)と孫の愛莉ちゃん(左)、帆香(ほのか)ちゃん=伊藤さん自宅で
賞状を手にする伊藤さと子さん(中央)と孫の愛莉ちゃん(左)、帆香(ほのか)ちゃん=伊藤さん自宅で

 第69回毎日書道展(主催:毎日新聞社、毎日書道会)で最高賞にあたる「会員賞」にこのほど、南区古淵の伊藤さと子さん(69)が、かな部門で選ばれた。同賞は全国から26人(かな部門は5人)が選ばれており、県内では唯一の受賞となる。

涙の坂を行き来し

 伊藤さんが書に出合ったのは中学1年生の頃。自宅のあった東京・神楽坂からほど近い、書道教室を母に勧められた。「まさか有名な方だなんて思いもしなかった」が、そこは書の巨匠と言われた筒井敬玉さんの教室だった。「大変厳しい先生で。教室まで続く通りは涙の坂と言われたほど」と伊藤さんは振り返り懐かしむ。しかし、続けることが出来たのは「少しでも師の書に近づきたい」という一途な憧れ。受験や結婚、出産など人生の転機が訪れても、ひたむきに書の道を歩んできた。

最高の瞬間逃さず

 書を仕上げる時、いつでも良いという訳ではない。光の加減や紙質の具合で夜間や雨の日は不向きであるとし、すべてが揃った時間を狙って、詩の情景が表れるようリズムを持たせて一気に筆をおろす。題材の選定から筆を変え、紙を変え、試行錯誤の上「この一枚」が出来上がるまでに約5カ月かかった。受賞の知らせがあった7月5日、電話で届いた一方に実感がわかず、程なく電報も届いて、家族は喜びに包まれた。

自分の色出せるよう

 現在、神楽坂と自宅の2カ所で幼稚園児から大人までの生徒を受け持つ。少数精鋭で、目の届く指導を心がけるのが伊藤さんの長年のスタイルだ。「何度も書けば上手くいくというものでもない。子どもの集中は20分程度ですから」。その日の気分や調子に合わせ、一枚でも集中して書けるよう指導する。同時に、書に大切な礼儀や作法も畳の部屋で伝えている。伊藤さんの義嫁や孫なども書を学んでおり、書道が家族の絆を一層深めている。

 最高賞を手にした今回を一つの区切りとしながら、「これからは作家として自分の色を出せれば。終わりがあるようでない、一生のものだから」と志を新たにした。

受賞作品と伊藤さん
受賞作品と伊藤さん

さがみはら南区版のトップニュース最新6

市内全区で上昇率拡大

地価公示

市内全区で上昇率拡大

リニアと駅近で住宅需要増

4月18日

介護者居場所に自宅開放

相模台モンステラ

介護者居場所に自宅開放

県から表彰

4月18日

「ある」県内5自治体

災害時トイレ「独自指針」

「ある」県内5自治体

本紙が33市町村に調査相模原市は国基準で備蓄

4月11日

命名権の制限数を廃止

相模原市

命名権の制限数を廃止

財源確保へ1社多数も

4月11日

不便地域で乗合実験

県タクシー協相模原地区会

不便地域で乗合実験

市と協定、5月から

4月4日

登録数1,000件突破

さがみはらSDGsパートナー

登録数1,000件突破

企業や団体同士の連携も

4月4日

あっとほーむデスク

  • 4月6日0:00更新

  • 1月19日0:00更新

  • 12月1日0:00更新

さがみはら南区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月20日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook