さがみはら南区版 掲載号:2018年2月8日号
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南区在住荒川鐡太郎さん 「相模原からボート熱を」 ʼ64東京五輪コーチが語る

社会

1964年の東京オリンピック時の写真を手に、笑顔を見せる荒川さん
1964年の東京オリンピック時の写真を手に、笑顔を見せる荒川さん
 カナダ代表ボートチームが東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、相模湖で事前キャンプを行うことが決定した。相模原市も歓迎ムード一色となっているなか、その報道を誰よりも嬉しく思っている人がいる。1月に87歳を迎えた相模大野在住の荒川鐵太郎(てつたろう)さん。若い頃から日本代表ボートチームに携わり、1964年の東京五輪はアシスタントコーチ、76年のモントリオール五輪ではヘッドコーチを務めたボート界の「レジェンド」だ。

 東京で生まれた荒川さんは、小学生の時に第二次世界大戦が開戦。空襲により生家が全焼するなど、辛い少年時代を過ごした。終戦を迎えたのは14歳、東京高等師範学校附属中学校(現・筑波大学附属中学校)在学中の時。「ようやく自由に過ごせる…」、それが終戦を迎えての感想だった。

 ボートを始めたのは、それから程なくして。「色々な部活の中で、ボートが一番自由で不良っぽかったから」と笑う。練習は厳しかったが、次第に「漕ぐ楽しさ」に魅了され、勉強とボートを両立するため、第一高等学校(のちの東京大学)に進学。猛練習に励み、1年時からボート部の代表選手として活躍した。卒業後は選手に区切りをつけ、三菱化成(株)(現・三菱ケミカル)に就職。しかし、経験を買われ母校・東大ボート部コーチに任命される。「働きながら、週末は全てコーチ業にあてていました」と荒川さんは苦笑する。

 そんな中で近づいてきた東京五輪。国を挙げての祭典に、代表チームコーチとして要請を受けた。それまでは、国内の強豪大学が単独で出場していたが、東京五輪では初めて各大学から有力選手を集め、選抜チームが結成された。「選手たちもよくやってくれたが、1年間の準備期間は短かったかな」。決勝進出を逃した大会をそう振り返る。

 その後も日本ボート協会理事として、競技の振興に尽力。モントリオール五輪では、ヘッドコーチとして大会に挑んだ。

 今回、カナダが合宿を行う相模湖は、モントリオール五輪の際も使用していた練習場。「新たに脚光を浴びるのは何よりも嬉しい」と語る荒川さん。「キャンプ地として整備され、多くの人が使用できる施設になれば。相模原からボート熱を広げるため、微力ながら手伝いたいね」と話している。

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