ユニコムプラザさがみはらで展示中の作品「ゆめうつつ」を制作した 小野寺 彩(ひかり)さん 相模大野在住 21歳
芸術で「癒し」届けたい
○…ほんわかとした声や雰囲気、白を基調としたファッションは、まるで幻想的な自身の作品から飛び出してきた登場人物のよう。「作品を見た人が、深呼吸して肩の力を抜けるように。誰かの傍に寄り添う存在であってほしい」と、制作における想いを話した。女子美術大学進学を機に、本格的に美術を学び始めて3年目。その表現力、作品の持つ力強さで、独自の世界を確立しようとしている。
○…作品の素材は主にポリエステルの綿と羊毛フェルト。それをニードルと呼ばれる特殊な針で刺し固めることで整形していく。モチーフは一貫して動物。「言葉が通じないのに、こちらの気持ちを読み取って、黙ってそばにいてくれる」。子どもの頃から繊細な性格の友人が多く、周囲を「癒す」ことを職業にできないか考えてきたという。カウンセラーなども検討したが、「誰かの支えにも、自分の支えにもなってくれるものを生み出したい」と作品で表現する道を選んだ。
○…新潟県出身。地元の駅に降り立ち、水分を多く含むしっとりした空気を吸い込むと「帰ってきたな」と実感するという。幼稚園から高校まではピアノ、合唱と音楽一筋。しかし「積み重ねて形を作っていく表現」に惹かれ進路を模索したところ、紙や繊維で芸術を生み出す立体アートに出会い、美大を志した。現在までに発表した作品はまだ7つだが「早くも置き場所に困っています。今回はどうしよう」と苦笑する。
○…「制作に没頭することが多くて、上京してからは家と学校の往復ばかり。神奈川でもまだ行ったことがない場所が多いんです」と話す笑顔からは、充実ぶりがうかがえる。今後は学内のグループ展や卒業制作を控え、制作意欲はますます高まる一方だ。「自己満足にならないように、試行錯誤している。たくさん作って、展示をして、自分の作品が見た人にどんな影響を与えていくのか知りたい」と意気込んだ。
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