若手音楽家の世界への登竜門「第4回高松国際ピアノコンクール」が、3月14日から25日にかけてサンポートホール高松(香川県)で開かれ、相南在住で昭和音楽大学生の古海(ふるみ)行子(やすこ)さん(20・当時2年)が日本人で初めて優勝した。
「音楽で世界の舞台を目指す若者が、夢を実現するための目標となるようなピアノコンクールを国際文化事業として創りたい—」。そんな想いを持つ香川県の有志が組織委員会を結成し、2006年に初めて開かれた「高松国際ピアノコンクール」。以降、4年に1度開催され、4回目の今年は32の国・地域から過去最多となる332人の応募が寄せられた。その後の予備審査の結果、41人が1次審査に進んだ。
緊張もなく穏やかに
初参加ながら予備審査を通過した古海さんは11日に高松市入り。瀬戸内海に近く、自然豊かな環境に「心穏やかに過ごすことができた」と話す。ソロ演奏による1次、2次審査は順調に通過。弦楽器との共演となった3次審査も無事に通過した。「1次審査から観客が入る形式だったのですが、皆さんが集中して聴いてくれて。あたたかい拍手もあってリラックスできたことが大きかった」と振り返る。
審査を通過した5人が挑んだ本選は、オーケストラとの共演。古海さんはリストの「ピアノコンチェルト1番」で臨み、「オケと一緒にできたことが嬉しくて。弾き終わった後には思わず笑顔がこぼれました」と話す。その演奏の評価は高く、審査員長を務めたピアニストの岩崎淑氏も「技術や表現力も含めて、曲への向き合い方が他の参加者よりも一歩先を進んでいる」と絶賛。日本人として初めての優勝を手にしただけでなく、「委嘱作品演奏者賞」「香川県知事賞」「高松市長賞」「公益財団法人松平公益会賞」「公益財団法人高松市文化芸術財団理事長賞」など各賞を総なめにした。さらに優勝賞金300万円、オーケストラとの共演やソロリサイタルを行う機会も手にした。
古海さんは「嬉しい気持ちと同時に、もっと勉強していかないといけない責任感が芽生えた。いただける演奏機会を大切に、学び続けていきたい」と力強く話している。
5月に凱旋公演都内でリサイタル
高松国際ピアノコンクールでの優勝を記念した「古海行子ピアノリサイタル」が、5月9日(水)に浜離宮朝日ホール(東京・築地)で緊急開催される。プログラムはシューマンの「ピアノ・ソナタ第3番」「ピアノ四重奏曲」など、同コンクールで高い評価を受けた演奏曲が中心。「シューマンの音楽はどこか不器用ながらも、人間味があり愛に溢れていますので、そこを感じてもらえたら嬉しいです。優勝後、最初のリサイタル。ぜひ聴きにきてください」と古海さんは話している。
午後7時開演。チケットは一般3500円、学生2000円で発売中。申込み・問合せは、主催の(一社)全日本ピアノ指導者協会【電話】03・3944・1583へ(平日午前10時〜午後6時受付)
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