さがみはら南区版 掲載号:2018年10月11日号
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3度のがんと向き合い 「今度」「いつか」ではなく「今」 南区在住、高橋ゆかりさん

社会

インタビューに答える高橋さん=1日
インタビューに答える高橋さん=1日
 小学校で支援教育支援員として働きながら、僧侶としてがん患者らの心のケアをする高橋ゆかりさん(51/南区西大沼在住)。自身も7月末に乳がんの手術をし、現在は放射線治療を受けながら仕事を続けている。高橋さんにとってがんの発症は今回が3度目。幾度となくがんを乗り越え、前向きに活動を続ける彼女の思いに迫る。

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 初めてがんを発症したのは、今から15年ほど前。出血が続いたことに違和感を覚え、産婦人科を訪れた。診断されたのは子宮がん。「どうしよう」。女手一つで育てている15歳の息子のことが頭をよぎった。だが親族にがんを発症した例が多く、がんを他人事だとは考えていなかったため落ち着いて行動ができ、「もしもの時のために登記簿などを息子に手渡した」。母親の病気を知った息子は驚きながらも、普段通り接してくれたといい、「深刻に受け止められるより楽だった」と振り返る。

 子宮がんの手術を終えた数年後。がんにり患したことを機に興味を抱いた「人間とは何か」について仏教的な観点から学ぶため、大学院に進学した。だが在学中に2度目のがん「舌がん」を発症。すぐに手術が決まり舌の半分を切除した。

 舌がんを発症したのは、大学院で「ターミナルケア」を論文のテーマに選択し、がん患者の心のケアについて考えていた時だった。このことに「意味」を感じ「なぜ自分ががんになったのか。自分が生かされている理由」を考え始めた。卒業後も仏教の勉強を続けるため京都の仏教学院に進学。熱心に学び続け、僧侶の資格を取得した。「病気の経験を生かしたい。病気になったからこそ、人の苦しみや悲しみがわかるのでは」。この思いと仏教の教えが重なり、現在は病気で悩む人の心のケアにあたる「ビハーラ活動」や、「がん患者家族語らいの会」などで家族らの悩みに向き合うなど、精力的に活動を続けている。小学校で児童の支援をするのも「障がいがある子に寄り添いたい」という思いからだ。

挑戦を続けたい

 高橋さんは過去2度の闘病期間を含めても、仕事を辞めたことはない。それは20代の頃に大きな交通事故に遭い、死の瀬戸際を経験したから。やりたいことを後回しにするという選択肢はその時に捨てていた。そんな中発症した3度目のがん。勤めている小学校の夏休み期間に手術をし、現在は仕事をしながら治療を受けている。職場にも治療中であることを伝えているため、治療時間と勤務時間の調整もしやすいという。

 3度のがん経験から、「定期的な検診、がん保険への加入、不確かな情報に惑わされないことが大切」と話す。とりわけ、忙しさなどを理由に足が遠のきやすい検診は、「自分で日にちを決め、毎年その日に行くといいですよ」とアドバイスを送る。加えて、20代の交通事故の経験から自身は闘病中も前向きだったが、インターネットなどで得た不確かな情報を信じ、涙する母親を見るのは辛かったといい、「様々な情報がありますが、医学的根拠のある情報を得るようにしてください」と話す。

 闘病しながらも仕事を続ける高橋さん。教育と仏教には今後も関わり続けたいという。最近は「みな平等」という仏教の考え方が学習障害などハンディキャップを持つ子どもたちのいる教育現場に不可欠だと感じ、仏教の学びを深めるために仏教学院への再入学を決めた。「病気を経験すると、『今度』や『いつか』がなくなる。病気を力に、やりたいことには挑戦し続けます」

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