教員南極派遣プログラムの一員として、第60次南極地域観測隊の夏隊に同行していた相模女子大学中学部・高等部の美術教諭・新井啓太さん(35)が3月21日に帰国し、30日に同校で報告会を行った。
このプログラムは、国立極地研究所、公益財団法人日本極地振興会が主催。毎年、全国から2人の教員が派遣されている。
新井教諭は昨年11月に日本を出発。オーストラリアを経由して砕氷艦「しらせ」に乗船し、12月に南極の昭和基地に到着した。その後は様々な研究チームに同行し、見識を広めていったという。
1月には、教員派遣の主な役割の一つである日本と南極を衛星でつなぐ「南極授業」を、相模女子大学中学部・高等部で実施。「一方的に南極から情報を送るのではなく、日本から応援の気持ちを送ってほしい」との思いで日本を出発する前に新井教諭が企画したライブパフォーマンスも、生徒が主体となって準備を進め、成功させていた。
体験を伝える
「美しい桜に囲まれて、南極を語る」と題した報告会で新井教諭は、南極の地で撮影した美しい風景や、ペンギンやアザラシなどの写真と動画を披露。人工物がないため、風がやむと無音の世界になること、刻一刻と変化していく美しい風景に感動したことなどを話した。
また、南極授業については、日本で中心となって活動していた生徒や同僚教諭などに質問。生徒らが準備の苦労や当日の様子などを報告すると、真剣に聞き入りながら「準備も含めてどう動くかが南極授業だと思っていた。そういう点では予想以上に素晴らしい出来だった」とねぎらった。
21日に帰国したばかりで「まだ文明生活になれていない」と苦笑した新井教諭。「南極はすべてのスケールが大きく、自分の存在の小ささを実感させられた。これまで拘ってきたことが些細に感じられ、自由になれた気がする」と南極での生活を振り返った。
新井教諭は、今後もホームページなどを通じて南極や観測隊に関する情報を発信していくとしている。
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