オペラ歌手で、町田イタリア歌劇団10周年記念公演「アイーダ」に出演する 高橋 未来子さん 東林間在住
努力と芯の強さで花開く
○…物心がついたころから歌うことが好きだった。その原点は、いつもおばあちゃんが歌ってくれた子守歌。耳元に残る優しい歌声を今も覚えている。幼稚園に通う時期から習い始めたピアノ。「歌の道に進みたい」と訴えると、もっと大きくなるまで待ちなさいと言われた。歌好きの少女は高校生になり、また同じように訊ねた。そのときに先生から言われたのが「あなたには無理ね」。
○…大学卒業後、もっと歌の勉強がしたくて挑戦した大学院受験には失敗。しかし、ここで諦めるほど歌に対する思いは弱くない。改めて「自分が目指す道の厳しさ」を胸に刻んだ。“努力の人”と評される。練習を休まない、遅れない、そして手を抜かない。そうした努力が、少しずつ秘めた才能を開花させる。2年前に受けた藤原歌劇団のオーディションで研究生を飛び越え、準団員に。今年の1月には本公演に出演し、ついに正団員の地位を得た。9月には新国立劇場の舞台も控えるほど、乗りに乗っている。
○…「オペラ歌手になることに迷いはなかった」。舞台の上で役を演じながら生の歌声で勝負するこの世界が好きだ。息抜きは塗り絵とジグソーパズル。誰かに止められなければ完成するまでやめないほど没頭してしまう。体育会系の一家に育つが、一番の協力者である父をはじめ家族全員が応援してくれている。
○…思いを曲げない芯の強さには自信があるが「ここまで来られたのは周囲の人間に恵まれたから」。自分のことを見いだし、育ててくれたのが町田イタリア歌劇団だと思っている。7月28日の記念公演で演じるのは5周年のときも演じた難しい役どころ。「これまで出会った人、支えてくれる人たちへの感謝の気持ちを込め、今の自分のすべてを出して演じたい」
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