世界が直面している多くの課題。SDGsは、これらを解決しうる可能性を秘めている。持続可能な未来をめざす上で、相模原からできること、そして私たちがなすべきこととは。ともにSDGsを推進する相模原青年会議所(JC)の宇田川隼理事長と相模原・町田大学地域コンソーシアムの学生3人の会話から、SDGs達成へ向けた「可能性」を探る対談企画。今回は2週目をお届けする。(聞き手:さがみはら中央区編集室 記者 町田優依)
--SDGsはなぜ大切なんでしょうか。
宇田川 SDGsが掲げる17の目標を否定する人はいないと思うんです。世界193カ国が全会一致で合意したというのは実は、かなり稀有。初めて世界が共通の目標を手に入れることができたと思っています。そこに私は一人の人間として可能性を感じます。
山田 世界で問題になっていることが全てこの17項目に表れている。世界が抱えている問題を自分でも考えなければいけないし、改めて考えさせられるなと思いました。
後藤 私は正直、お話しを頂くまでSDGsの存在を知らなくて。けれど目標を見たときに何ひとつ欠けてはいけないと思ったのと同時に、当たり前のことを当たり前にやれば防げるのではと感じたんです。でも当たり前のことを当たり前にするって、大切だけど一番難しい。そこをどれだけの人が守れるかが重要になってくると思いました。
宇田川 改めて思ったのが、SDGsの目標の中の17番に、パートナーシップがある。SDGsがなぜ大切なのかというと、大きな部分はこれだと思っていて。今まで繋がりのなかった人たちが繋がることができるし、それによって相乗効果が生まれる。当たり前のことを当たり前にできる社会が難しいと言われた時に胸をつかれたんですけど、未来を担う学生の皆さんにそう言わせてしまう我々世代が、良い社会を渡して引き継いであげれば、多分皆さんは自分のお子さんに対して同じようにしてあげたいと思ってもらえる。そういった好循環を作るのは大事なのかなと感じました。
--SDGsをよく知らない人が、自分事としてとらえるために大切なことは何でしょうか。
後藤 私も最初は、青年会議所の方は私たちとやっている規模が違うなと思ったんですけど、私たちもできることをやれば良くて。学生はちょっとあやふやでも行動することができて、軽い気持ちで始められることも強みなのかなって感じました。
宇田川 そこはすごく大事なことだと思うんですよね。学生の方は、まず深く考えずに動いてみればってお話しをされたんですが、それがものすごく大事で。社会がなかなか行動できない時代になっている中で、大人たちもそれで苦しんでいる部分が正直あります。けれど何が大事かといえば、まずは深く考えずに行動してみる。事業計画なんか作らなくてもできることはたくさんあって、資源の無駄遣いを防いだり、電気をきちんと消したりとかもそう。無意識に通り過ぎているなかで実は気づきの宝ってたくさんある。皆さんみたいに行動してくれた人はそこでまず知が生まれていて。あとは積み上がっていくんですよね、不思議と。石井 私はSDGsに取り組むにあたって大事にしていることがあって。それは自分が楽しむってことなんです。大学生らしい考え方をすれば、まず失敗も大事だし、海にゴミを拾いに行った時にゴミが無かったら海で遊べばいいとか。そういう風に考えて、楽しめばいいっていうことを伝えていった方がSDGsは広がるのかなって思います。
宇田川 SDGsを楽しむっていうのはある意味最大のキーワードかなと。良いこと、真面目なこと、意義のあること、ってなると重い。発想の転換や無意識の意識化がポイントになっていくと思っていて、もしSDGsが堅苦しく真面目に見えるのであれば楽しいコンテンツと合わせてしまえばいい。他人事と自分事の違いって大きいと思うんですけど、SDGsが他人事だったらみんなにとっての自分事に巻き込んじゃえばいいんですよね。
山田 イベントとかで実際にSDGsを体験してもらって、興味をもったり楽しんでもらえるようにできたらいいですよね。
※この座談会の全文はタウンニュースさがみはら南区版のホームページで公開しています。