出来立てのポスターを手に笑顔を見せる菊地希望さん
神奈川県教育委員会主催の「第48回 文化財保護ポスター」コンクールで、東林中学校３年の菊地希望（のぞみ）さんの作品が「わたしたちの文化財」部門で最優秀賞に輝いた。市文化財保護課によれば、市内の生徒が同部門で最優秀賞を受賞するのは初めてとなる。
同ポスターコンクールは中学生を対象とし、文化財への関心を高めてもらいながら、守ろうとする心を育くむことが目的。今年は「わたしたちの文化財」「世界遺産登録を目指す鎌倉」をテーマに募集が行われた。
幼い頃から絵を描くのが好きで、現在も美術部に所属している菊地さん。同コンクールでは２年前にも入賞を果たしている。実は今年の夏休み前、１年生の時から連続で選ばれていた学校祭ポスターに落選した。「それがすごく悔しくて。もっといい作品を描きたいと思った」。その悔しさをバネに、夏休みの課題として文化財保護ポスター制作に取り組んだ。
文化財の中から「能」をテーマにしたのは、衣装の装飾の美しさや面の魅力に惹かれて。イメージに時間をかけ、夏休み最後の１週間で一気に描き上げたという。着物の柄や装飾、面を際立たせるため背景は黒にし、そこに「文化財を後世に…」の文字を乗せた。
「最優秀賞には驚きましたが、成果として現れると、自分の技術向上を実感できて嬉しい」と喜ぶ菊地さん。将来は絵を描く仕事を目指したいとし、「受賞にうぬぼれるのではなく、今後も人一倍頑張って絵を描いていきたい」と話した。
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