令和2年度の消費者支援功労者表彰で内閣府特命担当大臣表彰を受賞した 座間 千代子さん 鹿沼台在住 86歳
食卓預かる主婦として
○…消費者利益の擁護や増進に貢献した人を毎年国が表彰する「消費者支援功労者表彰」。この内閣府特命担当大臣表彰に、37年間の消費者支援活動が認められ市内で初めて選ばれた。内閣総理大臣表彰に次ぐものとあって自身も驚きを隠せないが、「一緒に活動を続けてきた仲間や市の職員さんの協力のおかげ」と気遣いを見せる。
○…浅草生まれ。結婚後、相模原に移り住んだ。内気な性格を見かねた知り合いに誘われ参加したPTAが団体活動の原点だ。「人と交わる楽しさ」が体に残り、子どもと共に卒業する頃には胸にぽっかり穴が開いたような寂しさを感じた。「何か興味が向かう先はないかしら」。次に食指が動いたのが、当時高度経済成長の裏で頻発していた消費者問題だ。人工甘味料「サッカリン」の安全性やプラスチックごみ問題など、一家の食卓を管理する主婦として見過ごせない、生活に密着する事柄ばかりだった。
○…食、水、ごみ、購買トラブルなど、参加した勉強会で消費者問題について見識を深めた。1983年度からは、市内に十数あった消費者団体を取りまとめる相模原市消費者団体連絡会に入会。計6年間会長として会の発展に尽力したが、当時を振り返ると「活動と引き換えに、家のことはまったくだったのよ」と話す。夫に2人の子どもを託し、会合や研修へ。それは主婦として、母親として、妥協できないプライドがあったからだ。
○…共に見識を深めてきた仲間たちとする何気ない世間話が息抜きのひとつだ。現在は勉強会に参加しながらも、役職は後進に譲り、活性化を陰から望む。「限られた人生、いつまでも抱え込んでいるわけにはいかないわね」。次世代の活躍を信じ、頬を緩ませた。
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