俳句歴約30年、南台在住の大元祐子さんが主宰する俳句結社「星時計」がこのほど、俳句雑誌『星時計』を創刊した。創刊号には市民ら約70人の俳句が掲載されている。すでに11月号の作成に入るなど、大元さんは俳句の発展に取り組んでいる。
星時計の創刊は、長年にわたり師事してきた全国的な俳句結社「未来図」を主宰する鍵和田ゆう子氏が今年6月に亡くなったのがきっかけ。最盛期は約1000人が加盟していた未来図は、俳句雑誌『未来図』を35年以上にわたり発行していたが、鍵和田氏が亡くなったことで同誌も終刊、会員も解散のような状態になった。
そんな状況の中、俳句の火を消さず、普及に努めようと立ち上がった大元さんは、長年俳句仲間で近隣に住む、緑川美世子編集長らと共に7月15日、俳句結社「星時計」を立ち上げた。創刊には大元さんの地元にある市立相模台公民館で出会った職員たちも参加、編集などに携わっている。大元さんは「星時計という名前は星が時を告げてくれるように、俳句が生きる指針となるようにという思いで名付けた」と話す。
創刊号は同人6人、相模原市民を中心とした会員65人の俳句と共に、大元さんによる作品評やワンポイントアドバイス、読者投稿ページ、エッセイなどで構成されている。
俳句の奥深さが魅力
大元さんが俳句に出会ったのは1991年のこと。友人に誘われて訪れた未来図の句会ですぐに俳句のとりこになった。大元さんは「師の句が胸に響いた。古い文化で簡単にできると思っていたが奥が深く、カタカナ言葉などを取り入れているところが新鮮だった」と振り返る。句会のやり方が民主的だったことも魅力の一つだった。「優秀な句を選ぶ際は無記名で、誰の句か分からない方法で選ぶんです。男女差、キャリア関係なく優秀な句が選ばれるフェアなやり方が良かった」と話す。
俳人として多くの出会い
師と出会ってから29年、講演や未来図の支部訪問などで日本各地を訪れていた鍵和田氏に同行するなど、俳人としての経験を積んできた。同時に、ユニコムプラザさがみはら、相模原市民会館、市立総合学習センターなどの句会に出向いては指導を行う。相模台公民館でも教えており、その時の縁が星時計の創刊につながっている。
11月から大野南公民館で講座を開始し、新型コロナウイルスの影響で中止となっていたユニコムプラザさがみはらでの「俳句カフェ」の再開も予定している。11月号の編集にも取りかっており、大元さんは「いつも楽しんでもらうような雑誌にしたい。俳句作りが仲間づくり、地域づくりにつながってくれれば」と展望を語った。問合せは大元さん【電話】042・744・2432。
さがみはら南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|