消費者利益の擁護・増進のために活躍する人を国が表彰する「消費者支援功労者表彰」がこのほど発表され、中央区在住の座間千代子さん(85)が内閣府特命担当大臣表彰を受賞した。受賞は市内初で、座間さんを推薦した同表彰の窓口である「消費生活総合センター」(中央区)によると、「消費者意識の醸成が十分でなかった時代から、権利や自立を守る活動を続け、その礎を築いてくれた人物」と話す。
消費者支援功労者表彰は、国が1985年度から毎年行っているもので、消費者の不利益を未然に防ぐ啓発活動や消費者教育の啓蒙活動に秀でた個人・団体を表彰している。今年度は内閣総理大臣表彰が5件、それに次ぐ内閣府特命担当大臣表彰は15件が選出され、その中に座間さんが市内から初めて選ばれた。
座間さんは結婚後、相模原市に移住。リサイクル問題や食の安全問題を扱う消費者団体の勉強会に興味を持ち、1983年度から市内の消費者団体を取りまとめる「相模原市消費者団体連絡会」に参画、計6年間代表を務めた。市民への啓発のため、食育フェアなどにも出展。消費⽣活総合センターと連携した事業や⾃主講座の開催など、消費者意識の向上と⾃⽴を促す活動を続けてきた。
さらに、2014年度からは、市の附属機関である消費⽣活審議会の副会⻑を4年間務め、安全で安心できる消費生活の確立を目的とした「第1次相模原市消費生活基本計画」の中間改定等にも寄与した。
「生活に密着」
今年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、都内での表彰式が中止に。表彰状やメダルの授与式が6月11日に市役所で行われた。表彰式で座間さんは、「仲間や市の職員が長年にわたって協力してくれたおかげです」と謝辞を述べた。本村賢太郎市長は「少しずつ市民に消費者意識が深まってきたのは、座間さんたちの活動のおかげ。行政としてこれからも活動に寄り添っていきたい」と話した。
座間さんを推薦した消費生活総合センターは、「消費者の権利や自立を守る活動を地道に続けてくれた。消費者支援活動の先駆けとして十分に推挙に値した」と推薦理由を説明する。座間さんは「消費者問題というと堅いけど、どれも生活に密着していることだから」と顔をほころばせた。
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