第60次南極地域観測隊の夏隊に、相模女子大学中学部・高等部の芸術科美術教諭、新井啓太さん(34)が同行者として参加する。国立極地研究所が実施している「教員南極派遣プログラム」を活用したもので、美術教諭が南極に派遣されるのは全国でも初めてとなる。
「昔から南極を目指していたわけではないんです」と笑う新井さん。
きっかけは2017年初旬、子どもたちと一緒に訪れた「はまぎんこども宇宙科学館」(横浜市)だった。そこで南極に関する展示や講演を聞き、強く興味を覚えたという。同年が昭和基地開設60周年だったこともあり、国立極地研究所で行われた記念の南極まつりも家族で訪問。その際に配られた新聞記事で派遣プログラムの存在を知り、教員の同行者を募集している記事を家族が見つけてくれた。「(南極に行く)流れが来ている」と思い立ち、締切直前だったものの急いで企画書を作成。応募を試みたが、突然の話で所属学校の許可を得ることが難しく、断念した。そして今年、学校の許可を得て満を持して応募。見事に採用され、同行が決定した。
生徒も参加
南極からは衛星回線を使い、日本の子どもたちに向けた「南極授業」を行う。「南極から一方的に情報を送るのではなく、日本からも南極に応援や希望を届けられる形にしたい」。そんな思いから学校内で有志の生徒チームを募集、170人ほどが手を挙げてくれた。日本から想いを届けるため、音楽や美術、書道などのライブパフォーマンスも企画しているという。
新井さんは11月下旬にオーストラリアに渡り、そこから砕氷艦「しらせ」に乗船。南極の昭和基地到着後は様々な研究チームに同行、ほぼ1カ月間飛び回る予定となっている。「不安よりも楽しみの方が遥かに大きい。子どもたちに還元できるよう、貴重な経験をしっかりと持ち帰りたい」と意気込んでいる。帰国は来年3月下旬の予定だ。
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