医療、介護従事者で構成される「相模原市医療・福祉交流会」のメンバーがこのほど、障害者自身が進行役を務め、社会の中の障害について考える「障害平等研修」を市内で初めて市民向けに実施する。12月2日(日)、ユニコムプラザがみはら(相模大野)での開催に向け、参加者を募集中だ。
この研修は、視覚教材とグループワークを通じて、「社会の中にある障害とは何か」を考え、それに対して何ができるかを参加者全体で模索していく内容となっている。世界38か国で実施され、2014年以降は国内でも官公庁や大学、民間企業など様々な団体で実績があるが、相模原市で市民向けに開催されるのは今回が初めてとなる。
障害をもつ当事者が進行役となり、参加者と対話しながら学ぶことが特徴。医療・福祉交流会の事業として昨年発足した団体「A・RU・YO(あるよ)sagamihara」が主催する。
やまゆり園事件が根底に
同団体の発起人、安西祐太さんは市内の事業所で理学療法士として働きながら、ボランティア活動に従事。16年に「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件後、年月の経過と共に「障害とは何かを事件とは違う形で考え続け、一人一人ができることを行動に移せないか」との思いを深めてきた。「障害者と健常者が互いに声をかけやすい、障害に理解のあるまちを相模原市で目指したい」と安西さんは話す。昨年夏に自身が障害平等研修を受け、今回の開催を思い立った。
市民向けに無料開催
「多くの人にこの研修を知ってもらいたい」と、参加費を無料とするため、費用は今年7月から9月にクラウドファンディングで募った。集まった26万7400円は、経費以外全て研修の開催費用に充てられる。
進行役を務めるのは、車いすユーザーの石川明代さん、楠目昌弘さん、高橋宣隆さん。各地で研修に携わってきた石川さんは「研修を受け、障害に対する視点がガラリと変わったという感想も多いです。殺傷事件があった相模原市での実施は、非常に意味のあることだと思います。どんな人でも暮らしやすい町をめざし、アイデアを出し合い、実行していきましょう。ぜひ、ご参加ください」と呼び掛ける。
今後について安西さんは「これを機に、相模原市で定期的に開催していきたい」と話している。研修は12月2日(日)、ボーノ相模大野3階のユニコムプラザさがみはらで開催される。相模原市、市社会福祉協議会などが後援。午後1時15分開場で4時30分終了。先着30人で要事前申込。定員に達し次第締め切りとなる。申込み・問い合わせは安西さん【携帯電話】080・1271・1998か【メール】chimpam55@gmail.comへ。
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