市内初の市民向け「障害平等研修」を行う団体A・RU・YOの実行委員長を務める 安西 祐太さん 横浜市在住 30歳
誰にでも優しい街に
◯…サッカーに夢中になっていた中学時代。練習中、右足を複雑骨折する大怪我を負った。手術、そして入院。「サッカーはもう無理だろう」、折れた心を励まし、寄り添ってくれたのが理学療法士だった。半年に渡る地道なリハビリの末、スパイクを履き、ピッチに戻れた。しかし、長期のブランクは埋めがたく、サッカー選手の夢は断念。その後は新たな夢に向けてまい進し、今は理学療法士として活躍する。
◯…医療、介護従事者で構成される「相模原市医療・福祉交流会」のメンバーで立ち上げた団体「A・RU・YO」の実行委員長。障害者や高齢者が外出しやすい街づくりをめざし、飲食店などを回っては店舗の個性に合わせたバリアフリーなどを一緒に考える活動をしている。12月2日には市内初となる「障害者平等研修」を開催。障害者が進行役を務めて体験談などを伝え、参加者に自分の身の回りのことに置き換えてもらう。「高校生から88歳まで定員を大きく上回る応募があり、満員となりました。意識を変えるきっかけになれば嬉しいですね」
◯…19歳の時にオートバイの「スーパーカブ」に乗り、1カ月かけて日本を一周した。「寝場所を提供してくれたり、おみやげをくれたり、出会った人の優しさが身に染みた」と微笑む。皆が自然に声をかけあえ見守ってくれる街、誰もが障害者に優しくできる街―、体験を通じて生まれた理想が活動の原点だ。
◯…一昨年7月26日未明、自身の誕生日に起きた忘れられない事件。それも一つのきっかけとなった。今年も事件発生と同時刻、献花に訪れたという。「忘れたい人、忘れたくない人、気持ちも分かるし複雑です。でも、相模原から本当の『共生』を発信すること、それは意識していきたいです」
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