タウンレポート "温かな心"で助け合い 震災後、支援の動き活発化
11日に起きた「東日本大震災」。国内史上最大のマグニチュード9・0を観測した未曾有の巨大地震の発生後、市内には人々の”温かい心”が溢れていた。(※取材は3月18日時点)
4日で200万円以上
市役所本庁舎をはじめ区役所、各まちづくりセンターなど市内32箇所に設置された手作りの募金箱には、連日多くの市民や企業から義援金が投じられた。「小さい子が小銭でいっぱいになった貯金箱を持ってくることも。一人ひとりの協力で成り立っています」と市地域政策課では話す。14日の設置から1週間も経たないうちに200万円以上が集められたという。義援金は、日本赤十字社を通じて現地へ送られる予定。募金は現在も受付中だ。
放送の裏にボランティアの力
市内のコミュニティ放送局「エフエムさがみ」(相模原)では地震発生後、自主的に同局へ足を運んだボランティアスタッフのおかげで、放送が途切れることなく続けられた。
同局はもともと、番組ごとの担当制を採用。地震発生時も、その際放送されていた番組担当者ら最小限のスタッフのみが局内で業務にあたっていた。「急な停電地域もあったし、情報も混乱。私一人では放送できなかった」と振り返るのは、同局パーソナリティーのNatsukiさん。ボランティアスタッフが自主的にデータ収集や放送業務、停電箇所での中継などを手伝ってくれたという。放送中は、リスナーからたくさんのメールやFAXが届いた。内容は不安な気持ちを伝えるものから、市内各所の状況を添えたものまで様々。「市民みんなで情報を共有できた。声で伝えることの大切さを実感した」とNatsukiさんは話していた。
消防庁や厚生労働省などの要請とは別に市では、友好都市である岩手県大船渡市への支援を実施している。大船渡市は、宇宙科学研究所の関連施設がある自治体を集めた「銀河連邦共和国」の一つ。これまで職員交流や名産の販売などの経済交流が行われており、毎年秋に市内で行われるサンマまつりには、7千匹のサンマを贈り届けてくれる。
今回、市と市商店会連合会、商工会議所らは、支援物資の輸送を実施。現地から要請のあった衣類や日用品、乾電池、ミルクなどを市民や企業から受付。17日までに4tトラックで5回に渡り現地へ輸送している。
そのほか市はこのほど、被災者200人程度の受け入れを決定。市体育館などを一時避難所とし、今後の生活の相談も受け付ける。
自然の猛威がもたらした影響は多大なもの。それでも人間の“温かな心”が、市民と市民、また相模原と被災地とをつないでいた。
市民活動を行う団体の支援やネットワーク作りを担うさがみはら市民活動サポートセンター(富士見)には地震発生後、「ボランティアをしたい」という問合せが相次いだ。同センターの水澤弘子事務局長は「今できる支援は義援金などの寄付」と訴える。復興に向けた手伝いができる状況にない被災地の現状では、物や人を送ることはかえって迷惑になってしまうという。「今は行政レベルの窓口を通じての支援が一番。市民ボランティアが現地へ入るには、もう少し時間がかかる」。加えて、「寄付にも、現地への寄付とボランティアを支えるための寄付の2種類がある。両方に目を向けて」と話していた。
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