相模原市×ファミリーマート 災害時の物資供給で協力 調達から運搬まで一括で可能に
災害時の救援体制を強化するため相模原市は12月2日、(株)ファミリーマートと生活必需物資供給などに関する協定を締結した。これは、地震や土砂崩れなどが発生した際に同社が食料品や日用品を避難所へ運搬するもので、コンビニエンスストアとの提携は市内初。市はこれをきっかけに、同社と多方面で協力していく姿勢を見せている。
この提携は、非常時の物資供給で地域貢献を目指す同社と、災害に備え体制を強化したい市の意向が一致した形で、今年3月に話が進んだ。その後、東日本大震災が発生。市では従来の災害時の対応を見直すことになった。市内の複数団体とは既に協定を結んでいたものの、大規模な災害が発生すると、提携先も被災する可能性が高い。そうなると物資提供も困難になることが考えられる。そこで遠方からの調達が可能な全国展開している企業・団体との提携の必要性を重視し、今回の締結に至ったという。
より迅速に配送
今回の協定の大きな特徴が、1社で物資の供給だけでなく運搬まで行えることだ。これまではある企業に食料品等の提供を依頼した場合、別の団体に避難所までの運搬の手配をとる必要があった。しかし、同社は市の災害対策本部の要請に応じて、物資の供給に加え運送面でも協力することを約束。「調達から運送まで一括できることで、迅速に対応できるようになる」と市では期待を寄せている。
同社は今までにも、帰宅困難者に対し各店舗で支援する協定を相模原、横浜などの九都県市で結ぶなど、広域での地域貢献を目指している。市は「災害時だけでなく、あらゆる面で(同社と)協力していけたら」と今後の展望を語った。