福島の子どもたちを招き、里山体験などの場を提供しているグループの代表世話人 佐藤 泰子さん 緑区牧野在住 49歳
心のつながりで被災地支援
○…あの原発事故からもうすぐ1年。福島の子どもたちは今でも、目に見えない放射能の恐怖にさらされている。そうした子どもたちに里山体験などの場を提供するボランティアグループ「しのばらわんだーらんどの仲間たち」の代表世話人を務める。同様の事故が起きたチェルノブイリで、放射能汚染のない場所で保養した子どもは、体内の放射線量が減ったという話を知った。「郡山市出身なので、故郷の子どもたちを助けたい」。その想いから、昨夏に藤野の宿泊施設「篠原の里交流センター」に、被災地の子どもとその保護者ら37人を招待した。「福島では限られた時間しか外で遊べませんが、こちらでは子どもたちが顔を真っ黒にして暗くなるまで遊んでいました。お母さんたちもストレスが非常に溜まっていたようなので、少しはお役に立てたのでは」
○…グループの活動は、地元の募金や大手企業の支援金などで運営。9人で設立したグループも今では16人に増え、活動を続けている。昨年末は夏に続き20人を招待。地元の芸術家とのふれあいや地域行事などにも参加してもらった。春休みに同様の企画を計画している他、被災地の家族がいつでも無料で篠原に泊まれる準備を進めている。「我々の取り組みが小さな絆を生み、心と心のつながりができたのでは」と嬉しそう。
○…藤野には13年前に移住。現在は、温熱療法士として活動するかたわら、地元NPO団体のメンバーとして様々な活動を行う。「篠原は地域のつながりが強い地域で、いつも仲間に助けられ本当に感謝しています」と話す。
○…趣味は旅行。旅先のインドで知り合ったご主人は、世界の民俗楽器を自分で制作する音楽家。19歳の長女と中2の長男との4人家族。長男はサッカーで活躍中だ。「厳しい時代ですが、地に足をつけてたくましく生きていってほしい」と優しい母親の一面を見せてくれた。