“バードカービング”の展覧会を地域内で 開催している 清水 東次さん 緑区小原在住 68歳
木片に鳥の命を注ぎ込む
○…ジェルトン材という木片を、木の温かみを活かして彫り上げ、アクリルの絵の具などで細密な彩色を施していく。その鳥の彫刻はまさに本物そっくり。アメリカが発祥の地といわれる「バードカービング」。近年は趣味としてだけではなく、鳥類保護の観点から博物館などに展示する実物の剥製の代用品としても使われている。「いかに本物に近いものに仕上げられるか、毎回楽しみです」。1羽に要する製作時間は1〜3ヵ月。元来凝り性で、彫刻や色塗りに集中すると、5〜6時間続けて作業することもしばしば。「続ければ続ける程、その奥の深さを実感します。相模湖は野鳥の宝庫なので、地元に生息する鳥をもっと観察し、くちばしや足など細部まで正確に表現出来るようになりたい」と力作の数々を見せてくれる。
○…バードカービングと出会ったのは4年前。奥さんの勧めで八王子の教室に通い始め、今までシジュウカラ、メジロ、カワセミなど約60作品を彫り上げた。昨年は教室の仲間との共同作品展の他、小原本陣祭や相模湖文化祭などでも展示会を開催した。「妻はステンドグラスが趣味なので、バードカービングと一緒に、夫婦展示会を開催できればいいですね」
○…定年までは旧相模湖町役場に勤務。小原宿活性化推進会議の役員の他、もう一つの趣味である盆栽の同好会「相模湖さつき愛好会」など、地域活動に積極的に参加する。「小原は本陣が残る県内唯一の貴重な財産を持っています。そして何より温かい人が多く、地域の結束が強いのが嬉しいですね」と話す。
○…これからの季節は手塩をかけて育てた春の花々が、自宅の庭を鮮やかに彩る。その庭を毎年Gwには開放している。すると、国道20号から相模湖ICを通る観光客が良く立ち寄るという。「きれいな花々に私の彫った鳥たちが飾られますので、ぜひ見にいらして下さい」と話してくれた。