城山高校 コの字型授業に手応え 導入1年半 他校も注目
昨年度から”コの字型授業”や”グループ学習”といった「協同した学び」に取り組んでいる県立城山高校(関明校長)で20日〜22日の3日間、教育関係者を対象とした授業公開が行われた。県内の県立高校でこうした授業の取り組みを全校で行っているのは唯一同校だけ。その成果を見ようと、市内だけでなく、県内から50人近くの教育関係者が訪れた。
同校が取り組む”コの字型授業”は、従来のように黒板に向かって席を並べるのではなく、その名の通りコの字型に席を並べ、教師がその中心に立って授業を進行する。場合によってはそのコの字型から近隣で4人班を形成し、学習に取り組む”グループ学習”も行っている。
同校がこの取り組みを始めたのは昨年4月。授業中に寝ている生徒や、授業への参加意欲が乏しい生徒が多くいたことから、その打開策として導入を決めた。モデルとなったのは、広島県立安西高校。コの字型授業を採り入れ、生徒たちの学習意欲向上への成果を上げていたため、当時の校長らが見学に訪れ、そこから独自に研究を重ね、同校独自の「協同した学び」としてスタートさせた。
この取り組みは”教える””教わる”という従来のスタンスではなく、”学び合い”を重視している。教師側が一方的に教えるだけでなく、生徒に問いかけることで積極的な発言、質問を促す授業の進行を目指す。さらに教師と生徒、生徒同士の距離が近いという利点を活かし、生徒間で教え合うように導くなど、活発なコミュニケーションを図ることが期待できる。
導入して1年半。最初の半年は教師も生徒も手探り状態だったが、徐々に工夫を重ねることで、授業中に寝る生徒の数は徐々に減り、生徒たちの前向きな発言が増えてきた。同時に生徒と教師、生徒間の距離も近くなってきたという。「確かな手応えを感じてきているが、どうやったらいいかまだ模索しているところでもある」と関校長は話す。
生徒の発言増える
他校「採り入れたい」の声も
この日、見学に訪れた高校教師は「生徒が安心して席に座っている。生徒が教え合っているのがいい」「グループワークに移る時がスムーズ。採り入れてみたい」とその取り組みに好意的な感想を話す。
実際に授業を受ける生徒たちは「授業が分かりやすくなった」「グループ学習が楽しい」といった声が挙がり、教師からも「顔が見えやすい」「生徒の発言が自然と増えている」とその成果を口にする。一方で「授業の工夫が難しい」「科目によっては限界がある」と課題も挙げている。
関校長は「生徒だけでなく、先生たちも変わっていく必要がある。全体で思いの共有が大切。今後、さらに充実、発展させて、城山高校独自の学びを打ち出していきたい」と話している。
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