里山くらぶ博物館 吉野宿を観光の目玉に PRにマップ3万部を製作
江戸時代に宿場として賑わいを見せていた藤野地区の吉野宿。その当時の面影を残す建物で、現在は郷土資料館として利用されている「吉野宿ふじや」を中心とした「甲州道中 吉野宿マップ」がこの程、刊行された。手掛けたのは、NPO法人ふじの里山くらぶと、相模原市立博物館。吉野宿ふじやの活性化事業の一つとして製作され、「地域の歴史、財産をPRできれば」と話している。
吉野宿は、江戸時代の甲州道中で、江戸日本橋と甲府の中間に位置する宿場として、賑わいをみせていた。当時は本陣1軒、脇本陣1軒、旅籠が3軒あったが、1896年(明治29年)の大火で焼失。その後、旅籠の一つ「藤屋」が養蚕農家として再建、当時の宿場の雰囲気を残す唯一の建物となっている。1991年には、家主から旧藤野町に寄贈され、地域の嵯峨遺跡や大日野原遺跡から出土された土器や石器類、主な産業であった養蚕や炭焼き関連品、吉野宿の面影を再現したジオラマなどが展示される郷土資料館「ふじや」としてオープン。合併を機に、「吉野宿ふじや」に名称変更をして、今年の4月には市文化財に登録されている。
そうした中、ふじの里山くらぶと市立博物館は協働して、昨年度から3カ年計画で「吉野宿ふじや」の活性化事業を推進。これまで写真展や学習会、歴史散策会などを開催して、地域内外にPRしてきた。今回完成したマップは、その事業の一環で製作され、「ふじや」を中心に、甲州道中や吉野宿を訪ね歩いてもらうことを目的としている。
甲州道中の歴史散策に
完成したマップは両面カラーで、A1判半切の屏風折り。吉野宿を中心に、小仏宿(八王子市)から上野原宿(山梨県)までの甲州道中沿いにある名所、旧跡などが写真、解説付きで紹介されている他、吉野地区一帯の見所や藤野・相模湖の方言や、特産品、お薦めの散策コースなども判りやすく紹介されている。今回3万部を製作し、市役所、緑区役所、博物館、図書館、公民館、藤野・相模湖観光案内所、吉野家宿、小原宿本陣などで手に入れることが出来る。
ふじの里山くらぶと市立博物館では「これからの新緑の季節は、甲州道中や吉野地区の散策に最適な時期となりますので、ぜひご利用下さい。また、今後も昨年度同様にPR事業を推進して、吉野宿ふじやを地域内外に発信していきたい」と話している。
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