全国8万8101人の農業高校生の頂点に―。県立相原高校(齊藤一美校長)の畜産科学科2年・由利多香子さんと、環境土木科3年・河原誠也さんが昨年10月に沖縄県で開催された”農業高校生の甲子園”と呼ばれる「日本学校農業クラブ全国大会」の農業鑑定競技会・畜産部門、造園部門でトップとなる最優秀賞に輝いた。由利さんは、同競技会9部門の中でも最高点を獲得し、栄えある文部科学大臣賞も受賞。同一校で2人が最優秀賞を受賞することは全国でも珍しいという。
同大会は、全国の農業系の学校・学科に通う383校の代表約4000人が集まり、日頃学んでいる農業の知識や技術を競う。年に1度開催され、今年で65回目を迎えた。
大会は「プロジェクト発表会」「意見発表会」「農業鑑定競技会」「平板測量競技会」の4競技で競われ、2人が出場した農業鑑定競技会は、農業や園芸、畜産などの9部門に分かれ、約100人が参加。「種の品種」「農業機械の名前」「木の性質」などを答える40問が机の上に並べられ、20秒・40秒の制限時間内に次々と解答用紙に書き込んでいき、その正解数で競われた。
「来年も受賞したい」
学内全校生徒が参加して行われた予選会をそれぞれトップの成績で通過し、同校の代表として大会に臨んだ2人。「姉も過去に出ていたので、2年になって(大会に)出たいと思った」と話す由利さんは、全国大会出場が決まってからは友だちとの遊びを断って勉強していたという。最優秀賞と文部科学大臣賞をダブル受賞したことに「まさか両方受賞できると思っていなかったので信じられなかった。来年も出場して同じように賞を取りたい」と喜び、今後の抱負を語った。
昨年に続き出場した河原さんは「昨年優秀賞だったのが悔しくて今年は資格を取って臨んだ」と話し、「1位になれて嬉しい。これを誇りに、大学に行って造園デザインを学び、将来に活かしたい」と喜びを語った。