城山もみじホールで、JR相模線の風景を収め続けた写真展を開く 村田 孝さん 下九沢在住 68歳
「ありのまま」 記録し続ける
○…写真展のテーマは「県央の相模線物語」。国鉄からJRへと移行された昭和60年代以降の相模線の変遷・四季を切り取っている。「それぞれの駅の移り変わりに加えて、当時利用していた人たちの表情なども楽しんでもらえれば」と話す。
○…市内の四季や身近な移り変わりをテーマに「記録として残る写真」をカメラに収めている。記録写真を撮るきっかけは宮ヶ瀬ダムが建設される際の、水没してしまう集落の撮影だった。「かつての宮ヶ瀬地区がダム建設によって水没し、忘れ去られてしまうことを案じ、今こそ記録写真に残そうと思い立ちました」。当時の写真をまとめて、2002年に写真集「湖底の村 宮ヶ瀬」として出版している。この体験から、写真が持つ「記録性」を実感。「自分が住んでいる橋本駅周辺や相模線沿線も記録していこう」と考え、シャッターを切り始めた。「リニア新設も控えている橋本駅。相模線とともにこれからも追い続けたい」
○…生まれは山梨県。絵が好きだったという少年時代に熱中したのは漫画本。『鉄腕アトム』や『月光仮面』など、同じ本を何度も読み返し、模写していた。就職を機に、相模原市へ。ガラス製造会社で、ビールやジュースのビンの製造・検査などに従事した。全日本写真連盟会員でもある現在は、市内で写真を趣味としている会員とともに例会や撮影会などで技術向上に努めている。「『もっと違う角度で撮ればよかった』など、写真は常に反省ばかり。そこに面白さも感じる」
○…フィルムカメラに徹底的にこだわり、デジタルカメラは使用しない。「最近は技術の進歩から機能・編集に頼りすぎてしまう傾向を感じる。『ありのまま』を写すフィルムで、写真の原点にこだわりたい」と語る。たくさんの背景や思いが詰まった「一瞬」を記録する写真。「これを見て、また誰かが記録写真を始めるきっかけになれば嬉しい」と期待を込めた。
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