相模原市消防局はこのほど、2015年における市内での火災・救急概要を発表した。これによると、火災件数が163件(前年比40件減)、救急出場件数が3万3688件(前年比481件減)で、ともに前年に比べて大きく減少した。しかし、高齢者の救急搬送人員は年々増えており、迅速な適正搬送に向けて、取り組むべき課題のひとつとなっている。
市消防局によると、火災件数が大きく減少した理由として、放火による連続火災を抑えられたことに加え、住宅用火災警報器の普及が挙げられるとしている。2011年に義務付けられた住宅用火災警報器の設置に伴い、早期発見により火災に至らずに済んでいることが火災の減少につながった要因と考えられるという。
出火原因で最も多いのは、「放火(疑いを含む)」で37件。放火は1986年以降、常に出火原因の1位となっている。2位が「こんろ」で18件、3位が「たばこ」で17件。同局では地域の自治会などと連携した巡回パトロールや、放火を防ぐ環境づくりへの注意喚起などの対策をしている。「放火による火災を防止するには、整理整頓と監視が大切。『家の周りに燃えやすいものを置かない』や『ごみは決められた日時に出す』などを呼びかけていきたい」と話している。
「予防」呼掛けに注力
昨年過去最多となった救急出場件数は2年ぶりに減少したが、依然として件数は多い。1年間で3万3688件という数字は、1日平均約92件、約15・6分に1回の割合で救急車が出場した計算となり、市民約21人に1人が救急車を要請したこととなる。全体の搬送人員3万108人(前年比677人減)のうち、入院を必要としない軽症者が1万4470人と半数近くを占めており、同局では「本当に救急を必要としている人のもとへ、いち早く救急車が駆けつけられるように、適正利用にご協力ください」と呼びかけている。
また高齢者(65歳以上)の搬送人員が年々増加していることも課題として挙げている。全体の半数を超える1万5228人(前年比170人増)が高齢者となっており、全体の搬送人員が減っているなかでも、年々増え続けているという。高齢者の全体数が増えていることが背景にあるが、市は高齢者福祉施設等を対象とした救急講習会を定期的に実施し、病気やけがを未然に防ぐための取り組み「予防救急」の普及に注力している。「日常のちょっとした注意や心掛けで防げる事故がたくさんある。『予防救急』という言葉が広がっていくよう広報に努めたい」と同局は話している。
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