梅澤木材(株)(二本松)の梅澤義成社長は、日本の水泳界の発展に尽力した故・古橋廣之進氏から譲り受けたメキシカンハットを、静岡県にある「古橋廣之進記念浜松市総合水泳場『ToBiO(トビオ)』」へ寄贈した。
同市出身の古橋氏は戦後に活躍した水泳選手で、当時の世界記録を何度も塗り変え、「フジヤマのトビウオ」と称された。引退後は日本水泳連盟会長、日本オリンピック委員会会長などを歴任し、2009年に世界選手権が行われていたローマで亡くなった。
梅澤社長は学生時代に古橋氏の水泳指導を受けていた教え子。寄贈されたハットは、古橋氏が水泳チームの監督を務めた1968年のメキシコシティオリンピックに出場した水泳日本代表選手のサインが入ったもの。譲り受けた梅澤社長は長年にわたり、大切に保管していたが、「個人で所有するよりも、もっと多くの人に見てもらったほうがよい」と思い、浜松市に連絡した。「これを見た子どもたちが『オリンピックに出たい』と思ってくれたら古橋先生も喜んでくれると思います」と話した。
寄贈を受けた浜松市は「寄贈とともに頂いた意志を市民にも伝えられるようにしっかりと展示したい」と述べた。今回のハットは準備が整い次第、同水泳場内にある「日本水泳の歴史資料室」に展示される予定となっている。