正しい知識で選挙に参加してもらおうと、18歳選挙権の内容や投票の意義などについて市選挙管理委員会が解説する「出前授業」が3月4日、南区相南の東海大相模高校(大金眞人校長)で行われた。
昨年6月の公職選挙法一部改正により、今年6月19日後に公示される国政選挙から、満18歳以上の人が投票できるようになったことから、学校側から市側に実施を働きかけた。
当日は、大ホールに卒業を間近に控えた高校3年生約700人が集まり、配布資料をめくりながら選管職員の話に耳を傾けた。約1時間の講義では職員が「期日前投票とは?」といった制度の説明や、インターネット選挙運動での注意事項、選挙活動と選挙運動の違いなどを解説。また「投票用紙には人の意見ではなく自分の考えを書いて」と生徒に呼びかけた。
講義を聞いた濱浦健(たける)さん(18)は、「投票すれば自分たち(の世代)に(政治家が)目を向けるようになる。選挙権があるのだから、投票に行こうと思う」と感想を述べた。また豊島(とよしま)穂乃佳さん(18)は「(18歳選挙権を)知ってはいたけれど、改めて実感した。増税とか、戦争に行くようにはなってほしくない」と話した。同校の三上稔副校長は、「今後も市と相談しながら取り組んでいきたい」と意欲を見せた。一方、条件によっては可能となる校外での政治活動について、「生徒の政治的思想を束縛しかねず、難しい。しっかり考えていきたい」と話した。
講師を務めた市選管事務局の安西政美担当課長は、「真剣に聞く表情が見てとられ、手応えを感じた。投票率が低い20代が(18、19歳に)刺激され、良い相乗効果をもたらすのでは」と期待を込め、また「出前授業は初めてだったが、今後もこのような取り組みは実施していきたい」と話していた。