江戸時代、甲州街道沿いの宿場「吉野宿」にあった旅籠「藤屋」を再建した藤野の郷土資料館「吉野宿ふじや」(吉野214)で、来年1月25日(水)まで、企画展「藤野の古道と美しいやまなみ展」が開催されている。今回は藤野住民に古くから生活道路として親しまれた陣馬街道を紹介。同館では「わかりやすいマップを作りましたので、ぜひご覧下さい」と話す。
八王子市追分交差点付近から緑区の和田峠を通り、上野原市の甲州街道までを結ぶ『陣馬街道』。通称・甲州裏街道とも言われ、古くは津久井・愛川地域から、八王子や上野原へ物資を運ぶ生活道路として賑わい、塩や醤油、繭や炭、こんにゃくなど、各々の地域の生活品や特産物が往来したと言われている。
そうした中、同館では「藤野は高尾山への裏登山ルートや陣馬山など、近年ハイキングコースとして人気が高く、甲州街道=国道20号線を利用する人は多い。このハイカーたちに、甲州街道同様に景観も美しく、馬頭観音などの遺構も多くある陣馬街道を知って欲しい」と今回の企画展を開催することになった。
企画展には、吉野宿ふじやと市立博物館の職員が協働して制作した、甲州裏街道手作りマップが展示されている。このマップでは、道中の石碑や案内板、馬頭観音などを紹介。併せて陣馬山登山口である和田峠を題材にした物語や記録、日記など関連資料10点も見ることが出来る。同館では「江戸時代には、端午の節句に使うために、津久井産の樫の葉を陣馬街道で運んだと言われます。このような歴史的背景を学習すると面白いですね」と話す。
また、同時に「美しいやまなみ展」を開催。陣馬山の山頂に「清水茶屋」を長年営業する清水辰江さんが25年余に渡る陣馬山の風景を描いたスケッチ20点の展示と、地元藤野山岳会の会員が約60年間にわたり撮影してきた「藤野十五名山」を中心とした、近隣の山々の写真も公開。「企画展開始から約1カ月間経ちますが好評で、多くの方に興味を持ってご覧頂いています。あと、2カ月展示していますのでご来場下さい」と同館では話す。問い合わせは、吉野宿ふじや【電話】042・687・5022。開館は午前10時〜午後4時。月曜と年末年始は休館。入場無料。
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