さがみはら緑区版 掲載号:2018年1月1日号 エリアトップへ

市長インタビュー 子どもの貧困対策に力点 「生活に一層の安心安全を」

政治

掲載号:2018年1月1日号

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インタビューに答える加山俊夫市長
インタビューに答える加山俊夫市長

 2018年の年頭を飾る企画として、本紙では加山俊夫市長に対し、新春インタビューを行った。加山俊夫市長は相模原市の未来に対する構想や考え方、厳しい財政状況下での2018年度予算などについて率直に語った。(聞き手/本紙さがみはら緑区編集長・木村正博)

 ――早速ですが、昨年(2017年)を振り返っての感想をお聞かせ下さい。

 昨年は相模原市内に練習拠点がある青山学院大学陸上競技部が箱根駅伝3連覇という、晴れやかな1年のスタートとなりました。

 市政におきましては、様々な取り組みを進めさせていただきました。4月には、「さがみはら新都心」の実現に向け、相模原駅周辺地区にある米軍基地の一部返還地において、将来の新市街地の主要道路となる「南北道路」が開通し、本格的なまちづくりの第一歩を踏み出しました。

 また、子どもや若者が将来に向けて夢や希望を持ち、自立・活躍ができるよう、「こども・若者未来局」を設置しました。さらに、この局には、妊娠期から子育て期まで一貫した支援を実施するため、各区に「子育て支援センター」を設置し、ライフステージに応じたしっかりした支援体制を整えました。子どもの貧困やいじめ、虐待が大変大きな問題になっていますので、こうした様々な課題を抱える子どもたちへの支援についても、教育委員会との連携を強化し取り組んできました。

橋本を産業交流拠点に加山市長が市政を語る

 その他、横山公園の人工芝グラウンドの供用を開始しました。夜間照明も整備しており、サッカーやラグビー、グラウンドゴルフなど多目的に利用できる施設として、市民の皆さまにご好評をいただいています。

 6月には、2020年に開催される東京オリンピックの事前キャンプ地について、ブラジルオリンピック委員会や日本オリンピック委員会と、覚書の締結を行いました。これにより、女子サッカーや女子バレーボールなど、8競技が事前キャンプを行うことになります。キャンプに関しては、2015年頃からブラジル側から問い合わせをいただき、情報提供や視察の受け入れなどを行ってきました。来年度には「協定書」を結ぶ予定になっており、今後は、ブラジル代表選手に最高の環境でキャンプを行ってもらうため、さがみはらグリーンプールの飛び込み台をオリンピック仕様に改修するなど、キャンプの受け入れに向けた準備を進めてまいります。世界最高水準の選手が来ることで、市民をはじめスポーツ関係者にとって、良い刺激になるのではと思います。オリンピックまで3年ありますので、スポーツをはじめ、市民の皆さまが交流できるよう検討させてもらっています。

 8月には、JAXAの研究施設がある7つの市や町で構成する「銀河連邦」が建国30周年を迎えたことを記念して、相模原市で「こどもワールドサミット」を開催しました。国内だけでなく、本市の友好都市のある中国やカナダ、宇宙開発でJAXAと協力関係にある施設のあるフランス領ギアナやウクライナの4カ国の子どもたちも参加して、「100年後の宇宙と地球」について語り合い、メッセージを発信してくれました。言葉や文化の壁を越え、子どもたちはすぐに仲良くなり、交流も進んだのではと思います。

 その他にも、共に支え合う地域社会の実現に向けた福祉や人権などの施策の推進や、防災力の向上、医療体制の充実、教育環境の整備、産業の集積、就労支援などの施策にも積極的に取り組んできました。

 ――新年度予算編成の骨格、テーマ、重点施策をご説明下さい。

 「新・相模原市総合計画」の基本構想に掲げた都市像の実現に向け、「後期実施計画」の着実な推進に努めていきます。

 産業、経済、子育て、雇用、高齢者、防災、教育全てが重要な課題で、対策を講じていきますが、今年は特に、子どもの貧困対策に力を入れていきたいと思っています。学力と子どもの貧困は少なからず連鎖しています。厚生労働省の調査によると、現在、子どもの7人に1人が貧困状態にあり、社会全体でも子どもの貧困問題への対応は喫緊の課題となっています。そこで、相模原市では学習意欲があるにも関わらず、経済的な理由により、高校などへ進学が困難な生徒を対象に新たな「給付型奨学金制度」を創設しました。今年の4月に高校などに入学する生徒から利用できるよう準備を進めており、具体的には対象となる約300人に修学資金として年額10万円、入学支援金として2万円を給付する内容になります。所得など一定の基準はありますが、生徒の学力に関わらず給付が受けられるのが特長で、平成32年度には3学年で対象人数が約1000人、約1億円の事業規模となる見込みです。公立高校の教育費は授業料を除くと、年間24万円程かかるといわれており、この奨学金を給付することで、より多くの子どもたちの就学につながればと思っています。募集人数や給付内容などから、県内最大規模の手厚い支援内容になると考えています。

 この新たな給付型奨学金をはじめとする貧困対策や学力保障などの取り組みを安定的に進めるため、「相模原市子ども・若者未来基金」を併せて創設し、ふるさと納税や、土地や資産など市民の皆さまからの寄付の一部を積み立ててまいります。

 さらに、これまでの制度を拡充するものとして、小・中学校へ入学する際に支給する入学準備金を小学校では20470円から40600円へ、中学校では23550円から47400円へと約2倍に増額します。支給時期も入学後の8月から、入学前の3月下旬に変更いたします。その他にも、市内にあります放課後の無料学習塾や子ども食堂などを行うボランティア団体などとも意見交換を行っており、今後も連携をとりながら支援を進めたいと思っています。また、子どもの実態を把握するため、昨年に2500人の保護者と500人の子どもを対象にアンケート調査を行いました。この結果を元に、子育ての課題やニーズ、子どもの悩みなどを把握し、必要な対策を行っていきたいと思っています。

 新年度の予算編成に関しましては、税収入の増加が期待できない一方で、扶助費の増加や老朽化する公共施設の改修・更新への対応など、引き続き厳しい状況が続くと想定されており、これを踏まえ、徹底した歳出の削減や一層の歳入確保、効果的・効率的な事業の推進に取り組み、市民の皆さまの安全で安心した市民生活をしっかりと守っていけるよう、取り組んでまいります。

 ――橋本駅周辺地区を中心とした緑区のまちづくりについてお聞かせ下さい。

 相模原市は、橋本駅・相模原駅周辺地区を一体的なエリアとしてまちづくりを進めており、2016年8月に「広域交流拠点整備計画」を策定しました。

 リニア中央新幹線駅が設置される橋本は、リニア開設により約1時間でつながることで形成される首都圏3500万人に中京、近畿圏を加えた総人口6千万人規模のスーパーメガリージョンの一翼を担う拠点に位置付けられており、今後の国土づくりの方向性にそった事業展開が求められています。

 橋本駅周辺地区では、「産業の活力と賑わいがあふれる交流拠点」をコンセプトに、交流ゲートや情報発信拠点としてのまちづくりと、駅周辺部の産業集積や起業支援施設の立地を生かした産業交流拠点としての機能集積に向けた検討を進めています。

 基本的な土地利用の考え方としましては、橋本駅南口を、路線バス・高速バスなどに対応する交通広場やイベントなどを行うシンボル広場、商業施設などを配置する「広域交流ゾーン」、生活者や通勤者の利便性を高めるため、オフィス・医療・福祉・飲食店などを配置する「複合都市ゾーン」、企業向けの展示場や会議機能を有する施設、シティホテルなどを配置する「ものづくり産業交流ゾーン」に分けて計画しています。現在は土地区画整理事業などに向けた調査、検討や関係者との協議を行うなど、都市基盤整備に向けた取り組みを進めています。

 リニアに関しましては、全体の86%が地下を運行する計画となっており、すでに新駅予定地の西側では、JR東海によるトンネルを掘り進めるための準備工事も始まっています。

串川金原地区に6次産業を創出

 また、津久井地域は合併時よりも人口が約6千人減ってしまいました。少し高齢化も進んでおりますので、これに歯止めをかけるため、圏央道の相模原ICからアクセスの良い、串川金原地区の整備を進めていきます。農業を中心に加工、流通なども含めた6次産業を作り出していきたいと思っています。このことによって、企業や定住者などが増えることが予想されますので、交通ターミナルを設置するなど、橋本地区との交通体系の整備も進めていきます。

 ――最後に新年に向けて、本市読者へのメッセージを御願い致します。

 市民の皆さま一人ひとりが、将来に夢や希望を持つことができ、安全で安心して心豊かに暮らすことができる地域社会の実現に向け、全力で取り組んでいきます。市政への変わらぬご協力を賜りますようお願いするとともに、本年が皆様にとって、素晴らしい1年となることを心からお祈り致します。

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