根小屋にある串川ひがし地域センターの多目的室を利用し、卓球を楽しみながら高齢者同士の交流を図るサークル活動が、地域で好評を博している。同センターの弥永幸雄所長(70)は「卓球の得手不得手にかかわらず、それぞれが自分の役割を見つけて積極的に活動を楽しんでおり、参加者同士の仲間意識の高まりも感じている」と地域社会の活性化に期待を込める。
1月18日、100平方メートルの多目的ホールは卓球や会話を楽しむ38人の地域のシニアたちでいっぱいになっていた。室内には2台の卓球台。1台に4人が付き、対角にいる相手と球を打ち合う。10分経つと、合図が鳴り次の人と交代する。その間、他の人のプレーを見て一緒に卓球を楽しむ人、椅子に座って隣と会話をする人、球を拾う人。待ち時間はそれぞれ自由に過ごしている。プレーに勝ち負けはなく、ミスをしてもペナルティなどはない。「おもいやりを持って、相手が返しやすい場所に打ち、競うのではなくラリーを続けることが大切」とサークルの代表を務める寺島千代子さん(77)。そんな想いからサークル名は「卓球サークルおもいやり」と名付けた。
なじみのスポーツ
このサークルは、地域の高齢化に伴い起こりうる事案への対処を目的に、津久井地区地域ケア会議・地域づくり部会チーム串川の高齢者支援事業の一環として昨年7月から始まったものだ。
同センターの多目的室ではこれまで、地域の子どもたちへの本の読み聞かせや小規模のコンサートなど単発のイベントは開催されていたものの、継続的な事業は行われていなかった。
高齢者の健康維持・増進と社会参加を促し、住みよい地域づくりを進めるために、部会のメンバーである寺島さんは、多目的室を利用した事業を模索。その中で「学校や旅館などで経験して、誰にでもなじみがあるのでは」と卓球に着目し、昨春頃、津久井地区の民生委員・小室清さん(69)に相談を持ちかけた。
事業の早期実現に向け、話を受けた小室さんを中心に、弥永所長や市職員らを含めた検討チームが発足。卓球台の手配に動いたところ、損傷して使われなくなった古い台が地域にあることがわかり、譲り受けることになった。そして、改修などを施して多目的室に設置し7月9日、第1回目の活動を開始した。
口コミで参加増
初回は18人だった参加者は2回、3回と会を重ねるごとに口コミで増え、1月18日までに約半年で延べ736人が参加。弥永所長は、「卓球が不得意な人、体力に自信のない人も球拾いなどを積極的に行うことで自分の役割を見つけ、サークルの一員として喜びを感じてくれている」と話し、「自宅に引きこもりがちな人も外に出て会話をすることで親睦を深めている。地域の輪が広がっている」と効果を説明する。センター併設の図書館に出入りする人も増えているという。
活動は毎週木曜日
サークルは毎月4回、木曜日に実施されている。第1・第3は午前9時30分〜正午、第2・第4は午後1時30分〜4時30分。原則として串川地区に在住する65歳以上の人なら誰でも参加可。会費はないが、初回にネームバッジ代100円が必要。その負担金は社会福祉協議会へ寄付される。卓球道具は用意があるので、室内用の運動靴を持参のこと。次回の開催は2月1日、午前9時30分からを予定。
問合せは寺島さん【電話】042・784・4607へ。
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