相原高校畜産部の宮崎ミウさん=畜産科学科3年=が、10月24日・25日に鹿児島県で行われた第69回「日本学校農業クラブ全国大会」(主催・日本学校農業クラブ連盟ほか)の「家畜審査競技会」で最優秀賞に輝いた。この部門での最優秀賞は同校初の快挙。宮崎さんは「受賞はびっくり。力を出せてうれしい」と喜びを語った。
この大会は、全国各地の農業を学ぶ高校生が日頃の活動の成果を発揮して知識や技術を競い合う場として毎年開かれているもの。「農業高校の甲子園」とも言われ、園芸や畜産、林業、造園、食品など多岐にわたる分野で、自分たちが取り組んでいるプロジェクトや意見の発表会、競技会が実施される。今大会には、日本一を目指して都道府県の予選を勝ち抜いた高校生約3700人が参加した。
家畜審査競技会(肉牛の部)は個人競技で、育成牛(月齢18〜22カ月)と子牛(8〜10カ月)の雌の黒毛和種各4頭を比較審査。骨格や肉付きなど各部の優劣を順位付けて、それが審査員の定めた正解にどれだけ近いかで競う。家畜の繁殖能力などを的確に見定める「目利き」が問われる競技だ。
黒牛の名産地である開催地・鹿児島代表や農家育ちの精鋭がひしめく約90人の出場者の中、神奈川代表の一人として競技に臨んだ宮崎さん。事前に配られた資料では骨格などの数値が良かった牛が、実際に見て触るとしまりが無くたるんでいることに気づき、「周りの人は良い評価をしていたみたいだけど、最下位判定にした」と自分の判断を貫くと、それが奏功。講評で聴いた正解が自分の解答に近く、「優秀賞がもらえたら」と期待を膨らませる中、その予想を上回る最優秀賞に選ばれた。
宮崎さんは小学5年の時、家族で観光に訪れた服部牧場(愛川町)で搾乳を体験し、「牛を育てたい」という夢を抱いた。相原高校入学後、初めて農業に携わり、始業前の搾乳や放課後の飼育などを通して畜産を学習するとともに、独学でも本や画像から和牛の見方を学んできた。畜産部顧問の小笠原直樹教諭は「努力とセンスが受賞に繋がった。毎日飼育する様子を見ていて、牛が好きだという気持ちが伝わってくる。それが表れたのだと思う」と快挙を称えた。
他部門でも「相原あり」
今大会、同校畜産部は「持続可能な畜産経営」のテーマで、関東地区を代表して「プロジェクト発表会」にも出場。また、農業に関する知識・技術を競う「農業鑑定競技会」では、畜産部門で小山葵さん、食品部門で田中幹也さん、造園部門で西野憲さんが、それぞれ優秀賞に選ばれている。
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