市教育委員会(市教委)は11月8日、青根にある市立青根小学校と青根中学校を2020年3月に閉校し、同年4月に約8Km離れた青野原小・中学校で開設予定の義務教育学校へ移行すると決定した。同日夜、市を事務局に地域住民、学校関係者、保護者ら17人で構成される「青根小・中学校の学習環境のあり方検討協議会」(関戸正文会長)で報告された。
市は対応方針について、2019年度の1年間青根中を休校して生徒は隣接地域の青野原中に通学し、翌20年3月に青根小・中を閉校、4月に青野原小・中の校舎を活用して義務教育9年間を一貫して行う「義務教育学校」へ移行すると定めた。児童生徒の通学はスクールバスやタクシーの運行を検討。学習環境の変化に対しては、スクールカウンセラーの配置などによるサポート体制を検討・整備するとした。
8日に青根地域センターで開かれた第8回協議会で、野村謙一教育長が対応方針を説明。「児童生徒にとって、より多くの仲間との関わりの中で多様な考えにふれ、互いに認め協力しあう機会の多い環境が望ましい」と理解を求めた。出席者からは「ショックだが、子どもたちが青根っ子として新しい環境でのびのびと自己実現できるよう、最大の配慮をしていきたい」といった意見が出された。協議会の関戸会長は「決まった以上は子どもが環境の変化に対応してもらえるよう、しっかりサポートしていくことが重要」と述べた。説明を踏まえ、協議会は市の対応方針を了承した。
児童生徒数が減少傾向にある青根小・中学校の学習環境のあり方をめぐっては、同協議会で検討が重ねられる中で、市から統合案が示されていた。しかし、反対意見も多く議論がまとまらないため、同協議会では「賛否両論」を併記した検討結果を市教委へ提出し、市に結論を委ねていた。
青根小は1873年に民家を仮校舎として開設した。現在地に移り前身校舎が焼失後、1943年に建てられた新校舎が県内唯一の木造校舎として市登録有形文化財の指定を受けたが、2016年4月の火災で全焼。現在まで児童は青根中の教室で授業を受けている。
青根中は1947年に青根小に併設する形で開校。52年に、現在地に新校舎を落成した。
近隣に住み、自身も子どもも両校の卒業生という女性(74)は「(統合は)やむを得ない」と話す一方で、「中学は卒業後に地域を出ることを考えると生徒の可能性を広げるという面で仕方がないが、小学校は少人数で一人ひとりが主役になれる環境にある。残して欲しかった」と吐露した。
地域振興 新たな課題
今回の対応方針の中で野村教育長は、「学校は地域の核。市全体として、将来の地域の望ましい姿を皆様と意見交換し、活性化に取り組んでまいりたい」と青根の振興に言及。緑区役所などと連携して地域行事や学校の跡地利用などの検討を行っていく考えを示した。
これについて関戸会長は「今後、青根は大きな課題に取り組んでいかねばならない。地元と市が一体となり、別の形で話し合いの場を作っていくことになる」と話した。
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