東日本大震災から8年。被災地からの避難者数は全国で約5万2千人に及び、相模原市内でも300人を超える。避難者向けの相談窓口や交流会の利用は年々減少し避難先での生活になじむ様子がみられる一方、住宅や経済的な悩みを抱える声も残る。
市地域福祉課によると、震災直後の2011年5月時点の市内への避難者は252人。以降、13年6月の414人をピークに近年は減少しているが、今年2月1日時点でいまだ311人が避難を続けているという。
市では11年に避難者向けの相談窓口を開設。保健や福祉などの相談を受け付けてきたが、徐々に利用者が減っており、今年度は利用実績がない(2月末時点)。同じく11年から、市は避難者の交流会「ふれ愛」の開催を始めたが、当初90人ほどだった参加者は年々減少。15年には5人となったため、現在は開催自体を取りやめている。「近所になじむなど、避難者だけで集まらなくとも特段よくなり、交流会は一定の役割を終えたのでは」と同課の担当者。アンケートで「市民に温かく迎えてもらい楽しく過ごせている」といった声が上がるなど、とけ込んでいる様子も伺えるという。
神奈川県内で避難者の相談事業や交流会を行うNPO法人「かながわ避難者と共にあゆむ会」でも同様の傾向がみられる。毎月行う交流会の参加者は当初の20人から半数ほどに減少。県内各地で行う困り事の全般を受け付ける相談会の利用者も、最近は2〜3人に留まる。「故郷に帰った人もいるが、当初の不慣れな生活から落ち着いてきた印象はある」と同会。「来年度も変わらず継続するが、長い目で見ると今後のあり方を検討していくことも必要」としている。
県では避難者の戸別訪問事業「かながわ避難者見守り隊」を継続している。昨年同事業で行った調査では、住まいに関する困り事や不安があるという回答が上位にあがった。個別相談でも住宅供与の終了に伴い新居を探す必要に迫られるなど、住まいの相談が増えたという。県は「住宅の相談は多いが、経済面や健康、心のことなど、悩みは多岐にわたりまだまだ支援が必要。様々な相談に対応していく」としている。
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