大島在住で、ボクシング前日本フライ級王者の中谷潤人選手(21)=M.Tジム=は10月5日、後楽園ホールで元IBF世界ライトフライ級王者のミラン・メリンド選手(31)=フィリピン=とのノンタイトル10回戦に臨み、6回2分2秒でTKO勝ちを飾った。
2015年4月のプロデビューから19戦19勝(14KO)と連勝街道をひた走る中谷選手。世界の頂点を目指すため、今年2月に獲得した日本チャンピオンのベルトも7月に返上し、世界王者への道をまっしぐらに進んできた。
その一方で、世界の上位選手とは拳を交えた経験がなかった中谷選手。この試合までに37勝(4敗)をあげている歴戦の猛者・メリンド選手との試合は、自身の実力を測るとともに、世界へその名を知らしめるうえで、ノンタイトルながらも重要な意味を持った一戦だった。戦前には「内容が問われる。KOで倒してしっかり世界にアピールしたい」と意気込みを語り、8月末には渡米して恩師ルディ・エルナンデストレーナーのもとで鍛錬を重ねてきた。
試合会場には相模原だけでなく故郷の三重県からも多くのサポーターが駆けつけた。ゴングが鳴ると中谷選手は、身長の低い相手に対し慎重に距離を取りながら、重心を下げてボディを狙いつつ上下にパンチを散らす作戦で次第に優位な展開に。なかなか前に出られないメリンド選手は何度もロープを背にし、カウンターを繰り出すも中谷選手には届かず。以降も中谷選手は手数で圧倒した。
そして迎えた6回。中谷選手がパンチを繰り返し浴びせたところで、レフェリーが試合をストップ。中谷選手は左の拳を突き上げた。
「冷静に試合を組み立てていけた。相手は一発狙っている、というプレッシャーはあったが怖さはなかった」と中谷選手。元王者に勝ったことに「満足感はあるが、世界王者になってから満足したい。反省点もある」と話した。
会場で応援した父・澄人さんは「ほっとしている」と胸をなでおろし、弟の龍人さんは「相手は打たれ強かったが、しっかりTKO勝ちしてくれてうれしかった。こういう大きな舞台で戦えるということはすごいことだと思う」と兄を敬った。
「世界前哨戦」と位置付けた試合を制し、これで無傷の20連勝。中谷選手は「こういう形で勝たせてもらったので、胸を張って世界に挑戦したい」と宣言。同ジムの村野健オーナーは、「世界の動向を注視していきたい」と今後の展望を述べた。
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