相模原市とJAXA・宇宙航空研究開発機構は、これまで築き上げた協力関係をより一層深めるため、11月1日、連携に関する協定を結んだ。相模原キャンパス移転30周年を契機に実施されたもので、協定により、国内の宇宙研究の粋が集まるJAXAがさらに身近な存在となるよう事業を通じて交流機会を増やすのはもとより、市民の市に対するさらなる愛着を図る考えだ。
市ではこれまでJAXAの協力のもと、様々なイベントや事業を相互に取り組んできたほか、教員研修での宇宙教育センターからの講師派遣、博物館の企画展示やトークライブへのJAXA職員の参加などで数多くの交流を重ねている。
そうした中、JAXA施設を持つ自治体組織・銀河連邦の角田市、能代市などが連携協定を結んでいることから、市もシビックプライド(市に対する市民の誇り)の醸成、市民一体となった関連事業の推進、そして宇宙研究の成果を教育や文化の発展につなげようと協定の締結を検討。このほど、JAXAの相模原移転30周年の節目を迎えるため、この時機での締結となった。
市とJAXAの関係については、2012年のはやぶさの帰還を記念して市が6月13日を「はやぶさの日」に制定したほか、15年9月には相模原キャンパスが政府機関の地方移転の対象施設に浮上したのを受け、まちづくりの根幹を揺るがす事態とみた淵野辺駅北口の商店街メンバーを中心とするグループが反対の署名活動を展開。市議会、商工会議所、市自治会連合会らを巻き込むなど活動は多方面に広がり、集まった署名約3万2千筆を国に提出し移転を踏みとどめた経緯がある。
そうした両者の固い関係性の上で、「JAXAがある相模原市」といったイメージを市内外に一層植え付けるためにも協定を結ぶ狙いがあったとされる。協定により、市民が宇宙に関心を持ちやすくなるイベントや、JAXA職員を派遣した出前授業の実施などの事業構想が挙がっている。
1日の記念式典では本村賢太郎市長、JAXAの國中均所長が締結式に臨み、書面を交わした。締結に際し本村市長は、JAXAが相模原にあることが市民にとって誇りや自信となっていることを挙げた上で「(協定で)より身近にし、関係をさらに進化させたい」と期待感を示した。
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