2020年東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプを相模原市内で行うカナダとブラジルの選手団に、地域からの「おもてなし」の心を伝えるため、平和の祭典にふさわしく、同じく平和の象徴として親しまれている「折り鶴」をつくって贈ろうという取り組みが11月28日に城山地域でスタートした。
「みどり祝い鶴の会」は、この企画のために城山地域に住む有志により結成された会だ。相模原を訪れる両国の選手や関係者に対し、もともとたしなみのあった折り紙を使って「何かおもてなしができないか」と発起人の米田寿恵子さん(71)が緑区に何度か相談を重ねるうちに、民生委員など地域の関わりの中で互いを知っていた櫻井かおるさん(68)と、今井利江さん(66)にも声をかけ、3人を共同代表とする会が立ち上がった。
この日、米田さんらの呼びかけに応じて向原自治会館に集まったのは、近隣に住む女性ら有志16人。まず、折り紙が得意な櫻井さんが講師を務めて、メンバーの前で鶴の折り方を説明した。
折るのは、「願掛け」として贈られることの多い千羽鶴ではなく、「祝い鶴」と呼ばれるもの。翼を折る回数が多く、ひだが増えて見栄えが華やかになるのが特徴。「折り紙は折り筋が大事」「お祝いなので鶴の顔は上向きに」などと櫻井さんの説明を受けながら、メンバーはまず薄い折り紙で練習。その後、15cm四方でやや厚みのある金と銀の千代紙を、「いつもつくっている鶴と違う」と戸惑いながらも、丁寧に折り進めた。
今後は、個々で作業したり集まったりしながら金銀の折り鶴と屏風、それを乗せる盆、祝い鶴の説明や飾り方、おもてなしのメッセージなどを書いた便りを加えて計130セットをつくる。緑区区政策課は「災害復興と地域振興が緑区の大きなテーマ。その中で、区民が持つ『おもてなしの心』を地域振興につなげていくために、このような取り組みは大事にしたい」と話す。米田共同代表は「キャンプまでまだ日があるので、楽しみながら進めたい。カナダとブラジルの方々に伝統文化を感じてもらい、日本に来て良かったと思ってもらえたら」と話した。
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