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新春スペシャル対談 未来を切り拓く飽くなき探求

公開:2020年1月9日

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東京五輪開催をはじめ明るい話題の多い2020年。私たちの住む相模原も希望に満ちた未来へと歩んでいくはずです。そこで今回、市民に感動を与えてくれた、はやぶさ2プロジェクトの総責任者・津田雄一さんと、相模原に誇りを持ち挑戦を続ける市内最大級の社会福祉法人である相模福祉村理事長・赤間源太郎さんに、それぞれ携わる分野における可能性、地元相模原への思い、今後の展望について熱く語り合って頂きました。(敬称略)

伝えたい 宇宙、福祉の魅力「正解のない道」を歩む

-お二人は宇宙と福祉という異なる世界でご活躍されています。

赤間 宇宙は夢やロマン、また未知数な部分もあって、JAXAの仕事は相模原のブランディングになっている。情熱がなければできない、根気のいる仕事なんだと思いますね。

津田 自分たちの仕事の魅力を伝えたいとはいつも思っていて、はやぶさ2はそこを意識しました。小惑星着陸という成功するか100%の保証がない中で、この難しさを子どもたちにもわかるよう伝えるために、成果よりも「自分たちは成功に向けこんな努力をしていた」というプロセスを発信するようにしていましたね。上手くいくかは分からないけど、大人が何を頑張っているのか。そういうところまで見えると「この仕事をやってみたい」と思ってくれる人が増えるんじゃないですかね。

赤間 我々の業界も、探求や深堀りをすると大切な価値観だったりやりがいがたくさん見えてくる。魅力ある仕事ということを若い人にも理解してもらいたいんです。

津田 少なくとも今は高齢化社会で、福祉は絶対に必要だと思われている。それなのになぜ福祉業界で働きたい人が多くならないのかが疑問で。仕事としては大変だと思うんですが、それで生活できる仕組みがあればやりたい人はいっぱいいると思います。

赤間 福祉は肉体労働の面もありますが、ICTを活用したり職員が働きやすい環境を整えることが大切だと思っています。昔と変わらない部分もあるけど、もう少し時代に合わせ工夫していく必要がある。業界自体を変えていく必要性があって、それを先進的に福祉村がやっていくつもりです。最近は外国人の技能実習生にも入ってきてもらって。彼女たちの優しさだったり言葉がけとかを見て他の職員も改めて見習い、仕事のやり方を変えていかなきゃっていう良い刺激になってますね。

津田 対人的なお仕事なので、フィードバックはすぐに得られますよね。相手の笑顔や感謝だったり、一度体験するとこれだって思うんでしょうね。はやぶさはそれが難しい。あの時に手を打ったことが10年後にやっと結果に表れるという感じで。全部ストーリーを作らなきゃいけないのが苦しいところです。

赤間 時間がかかるかもしれないけど、振り返るとスケールが大きいし、歴史を変える、記憶に残っていくってすごいことじゃないですか。

津田 このはやぶさ2という仕事に10年間いろんな人が関わる。このプロジェクトをリードする責任は感じていました。10年前はびくびくものでしたよ。10年後これはやっても無意味だったと思われるようなことには絶対なってはいけない。お金とか成果とかより何より、一緒にやっている仲間たちがやってよかったと幸せに感じてもらえるかどうか。きっとどんな仕事もそこなんですよね。

赤間 そうですね。福祉村も職員が700人くらいいる中で、彼らが入社してよかったと思えるよう常に同じ目線でいたいと思っています。昨年は色んな施設を回って声をかけて自分をきちんとさらけ出して、自分の温度や人間性を伝えていくようにしていました。

津田 入所されている方々を幸せにするためにはまず職員の方々が幸せでなければいけない。リーダーはワンチームでやる環境をつくるのが重要ですよね。私も今回のはやぶさ2で、そんなにすべてを戦略的に考えてやったかというとそんなことはないんです。あとから考えて上手くいった理由ってチームワークなんですよ。じゃあその元って何だったかというと、それこそ5年前とか10年前とかまだ人数が少なかった頃に色んな人に色んな声のかけ方をして。こういう作業があるからやってみない?こういう研究がはやぶさ2の役に立つんだけどやってくれない?って、結果的にお互いがやりたいことを分かり合える関係になれていた。そういう人たちが数年経って育って正規メンバーになってくれたり、はやぶさ2が立ち往生したときに昔津田さんとやったあの研究を使いましょうって言ってくれて、それがすごく生きたりとか、根底で分かり合えていた部分が昨年になって花開いてくれた。大枠の方向性をきちんと示せば、魔法にかかったみたいに自然にチームが一つの人格になっていくんです。皆で分かち合える成果が出せた、この人間の美しさ。これを伝えていきたいと強く思った一年でした。

赤間 本当にそういう泥臭い、人と人との関わりってすごく大切ですよね。よく新しい職員が入ってきたときに例えるのが、俺たちの仕事はレンガを積み上げる仕事じゃない。人を癒す空間を作っているんだって。日頃の仕事はそのための積み上げ作業で、この繰り返しが形になっていく。それを職員たちと共有しながらお互い答え合わせをしていく部分があって。津田さんまでとはいかないけど、人と人とのつながりはこれからも大切にしたいと思います。

-地元の相模原にはどのような思いを抱いていますか。

津田 私にとって生活の場、生きる場所そのものです。子どもを育てるにも公園が多いし児童センターに遊びに行けたり、何をするにも困らないですよね。市民の方には、はやぶさ2が相模原で作られた探査機で、運用も相模原で、全てここで起こったことだと伝えていきたいです。

赤間 私にとっても小さい頃から育った町で、いろんな人たちと顔見知りだし馴染みがある。小さい頃からお世話になった人たちに恩返しができる仕事だから、困ったことがあれば相談に乗ったり、今まで支えられた分、そういう立場になれる。愛着もあるし、もっともっと組織力やチームワークを高めていきながら、相模原では福祉村が福祉を先進的に進めていると他の地域から思ってもらえるように歩んでいけたらいいですね。

津田 福祉サービスも技術力もあるといったら町としてすごい魅力的ですよね。

赤間 そうですね。私たちも「福祉村を我が町の文化に」を理念として掲げていて、人の安心感、何かあったときに支えられるセーフティネットとしての機能をもっともっと高めていきたいです。

-お二人の思い描く将来像を教えてください。

赤間 子どもたちが将来なりたい職業の中に、福祉が少しでも入ってくれたらいいですね。そのためには魅力を伝えていかなくちゃいけない。気持ちさえあればできる単純な仕事ではなくて、そこには技術とか専門的な知識があるし、福祉も本当は職人っぽいところがある。例えば認知症の方をケアするのにバリデーション法というのがあって、その方が安心してコミュニケーションをとれるようになる技術的なやり方もあって、そういう専門職種とか職人としての面のやりがいとか、そういう魅力も発信していきたいですね。

津田 私にとっては、まず無事にはやぶさ2を帰還させること。このはやぶさ2は自分たちの想定よりはるか上の成果が出てしまったので、ちょっと我々も戸惑っていて。この成果をどうするか。でもそれがベースになって、次はきっと同じことができる。これが大きくて、これをベースに新しいことに挑戦するとしたら何かというのを考えていきたい。例えば太陽系のもっと遠くの惑星探査のミッションに生かすこともできる。あとは次の世代の人たちが、僕らがやったことをベースに、僕らが想像しないようなとんでもないアイデアで様々なことに挑戦してくれたらうれしいし、そのために僕たちがやってきた意味や意義は伝えていきたいですね。

赤間 津田さんはずっと技術者として極めていかれるんですね。

津田 そうですね。技術はゴールが無い世界なんで。やりたいと思っていたことが予想以上にできても、また高望みしたくなっちゃうんです。

赤間 その情熱は学ばなきゃいけないですね。私たち福祉も人との関わりという中で正解はない。ゴールを一つ決めたとしてもその先がある。モチベーションを保ち続けていくというのは自分も津田さんと共通する部分で、こうやってお話しをさせて頂いてエネルギーを頂けて、また改めて次のゴールに向かうことができる。今回は良い機会を頂けました。

-いよいよ新たな年が幕を開けました。最後に、これからを担う世代へメッセージをお願いします。

赤間 2020年は明るい話題が多くて、前向きな年になっていくと思います。我々の業界や仕事も良い意味で高められる年にしていきたいですし、多様な価値観をもつことが大切なので、若い方々には色んなことに興味を持って、色んなことにチャレンジしてもらいたい。経験値をたくさん得ていくと、課題が見えてきたり幅広く物事を捉えることができる。そういう機会をたくさん持ち続けてやっていくといいと思います。

津田 世の中の研究者や技術者の多くは、10年先に役立つことや100年先に花開くかもしれないことを一生懸命追求している。はやぶさ2も、ある種究極の基礎科学を究極の最先端でやっているようなところがあって。そういうような研究者、技術者マインドが若い世代に伝わるといいですね。今年ははやぶさ2帰還の年でもあるので、ここに全力投球したいし、2020年は新しい宇宙時代の幕開けになるといいですね。

社会福祉法人相模福祉村

相模原市中央区田名6769-2

TEL:042-761-7788

http://fukushimura.or.jp/

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