相模原商工会議所(杉岡芳樹会頭)は9月15日、2024年度中の供用開始を目標に検討が進められている「(仮称)新斎場」(新たな火葬場)について、整備手法にPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)方式を導入し、中小企業を含めた地元事業者の参画が可能となるよう要望した。
新斎場は、高齢化の進行などにより、現在南区古淵の市営斎場に併設されている市内唯一の火葬場だけでは需要に対応できなくなるとして、市が新たに整備を進めている施設。市は14年度に基本構想を策定し、住民との協議やさまざまな検討を経て、昨年2月に最終候補地を区内青山に決定。現在は基本計画の作成に取りかかっているところで、その検討事項の一つに事業手法がある。
PFI手法は、公共施設などの整備を行う方法の一つで、設計や施工、維持管理、運営などを市が事業者へ一括発注することにより、民間の資金やノウハウを活用して効率的・効果的に事業の進展を図るもの。相模原市ではこれまでに導入実績はなく、市によれば具体的に検討が進められている事業も現状はないというが、一方で一定の基準に該当する案件については優先的にPFI手法を検討するという方針も打ち出している。県内の自治体では横浜市、川崎市、茅ヶ崎市などがPFI手法を用いた公共事業を実施している。
今回、同会議所では、民間活力の活用と地域産業振興の観点から、新斎場の整備にPFI手法を導入することを前提に、特定目的会社を組織するなどして、地元企業が参画できるよう要望を取りまとめた。
同日、杉岡会頭をはじめ篠崎栄治副会頭、谷津弘建設業部会長、梅沢道雄専務理事ら6人が出席し、本村賢太郎市長や市職員と面会。杉岡会頭があいさつと要望に至った経緯を述べた後、谷津建設業部会長が要望書の趣旨を説明した。本村市長は、コロナ禍で厳しい経営を迫られる市内産業を憂慮し、「商工会議所と一緒にもっと経済にエンジンをふかせないといけない」と話した。要望に対しては、「民間活力を使う手法は大事」と考えを示したうえで、「しっかり検討させていただきたい」と応じた。