中野中学校(菊地原宏明校長)は9月25日、学校祭「輝翼祭」の文化部門を開催。メインとなる合唱などの発表を、新型コロナ感染拡大に考慮し近隣の公民館で開催したが、その様子を生徒・保護者向けにオンライン中継を行った。菊地原校長は「催しが終わってからインターネット上にアップする例はあるが、生配信したのは市内でも初めてではないか」と話す。
新型コロナウイルスの影響で、「新しい生活様式」に即した文化祭・体育祭の実施が求められている学校現場。中野中でも、今年の学校祭を「3密」に考慮し例年の体育館開催ではなく同校そばにある津久井中央公民館(定員415人)で実施することを決定していた。さらに、発表者も密にならないよう、学年ごとに学校から公民館に移動し発表する方向で計画していた。しかし、発表学年以外の生徒は学校で待機するため、下級生から「今年が最後となる先輩(3年生)の合唱が聞けないのは残念」という声が聞かれていた。そうした声を受け、教員らが開催方法を再度検討。その場の緊張感や臨場感、感動を少しでも近くに感じてもらうため、配信業者を入れ、発表の様子をオンライン中継し各クラスで見られるようにした。菊地原校長によると、「もともと催しの後に発表の様子をインターネット上にアップする予定ではいたが、それだと生徒が見るまでに時差が生まれてしまう。オンライン中継することで感動を共有でき、来年の学校祭への意欲にもつながる。こうした取り組みは市内でも初めてではないか」と話している。
3年生の雄姿リアルタイムで
25日は、1年生から順に公民館の大ホールに移動し、練習した歌声を披露。次の発表学年と入れ替わりで退場し、学校で他学年の中継を視聴した。例年と違う雰囲気が漂う中、3年生の発表前には代表者が今年の合唱発表に懸ける思いや、「やるからには最高の思い出を作りたい」とスピーチする場面も見られた。各学年の合唱発表の後には、吹奏楽部による演奏発表や生徒による英語弁論発表なども中継された。フィナーレには12年前に生徒らで製作された伝統曲「輝く翼」を3年生全員で合唱。感動の余韻が広がる中、文化部門の幕は閉じた。
保護者には事前にパスワードが知らされており、同校ホームページから配信ページにアクセス、パスワードを入力しすると動画を視聴できる仕組み。中継中の視聴者数は、常時70人〜100人程で、学校側によると各学年の生徒数が100〜120人なので、かなりの割合ではないかと推測された。今回の試みについて保護者からは、「文化祭が中止になったり親が参加できない学校もある中で、中継という形で子どもの様子が見られてよかった」という声が寄せられた。中継を視聴できなかった家庭も、その後学校から配信された動画を見ることで家族のコミュニケーションのきっかけになったケースが多かったという。
国が進めるICT(情報通信技術)を活用した教育活動の推進に力を入れている同校。先月も広島県への修学旅行が中止となった代替事業として同県の中学校に千羽鶴を送り、広島市の平和記念公園に捧げる様子を動画中継してもらうなど、学校の枠にとらわれない活動を展開している。
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