神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
さがみはら緑区版 公開:2020年11月19日 エリアトップへ

25日まで「女性に対する暴力をなくす運動」週間 異常な世界 気づいたこと 市内在住 倉原さん語る

社会

公開:2020年11月19日

  • X
  • LINE
  • hatena
「あなたは一人じゃない」と話す倉原さん
「あなたは一人じゃない」と話す倉原さん

 11月12日から25日(水)まで、全国で「女性に対する暴力をなくす運動」が始まっている。18年間の結婚生活の中で、イタリア人の夫からの精神的・肉体的暴力に苦しんだ倉原佳子さん(声楽家/市内在住)は、当事者の一人としてその当時のことをこう振り返る。

 声楽の勉強のため訪れていたイタリアで彼と出会い、1995年に一緒になりました。今でこそ彼との関係の異常さを感じますが、当時はまったく気づかなかった。それは「ある日突然」ではなく、ゆっくりと真綿で首を絞められるようだったからです。

 思えば、「君のことが心配だから」と片時も離れず、24時間一緒に行動していました。生活費の管理も全部夫。2人の子どもに恵まれ、初めのうちは異国で暮らす私への気遣いかと思っていましたが、ときどき夫は瞬間的に爆発し、大声で私を怒鳴りました。なぜ怒っているのかを何十分、何時間とかけてとうとうと説明します。「お前がこうさせる」「なんてダメなやつなんだ」。私はというと、怒鳴られたショックで放心状態になり、とにかく何も考えられなくなりました。子どもたちといても、いつまた怒られるのだろうかという不安で精神的に追い詰められていきました。DVには緊張期、爆発期、ハネムーン期というサイクルがあるといわれていますが、夫の場合も「必ず更生する」と謝罪し、甘い言葉を繰り返したものでした。

 2011年、一度は遠ざかっていた声楽の世界でようやくチャンスが巡ってきました。スキーワールドカップの開会式でイタリア国歌を歌うことになったのです。このような大会で外国人が斉唱したのは初めてのこと。しかし喜びも束の間、夫からの攻撃的な言動は激しくなり、翌年、何度目かの身体的暴力を機に、親子3人でシェルターに逃げ込みました。

 数年前に離婚は成立したものの、子どもたちとは引き離され、長年辛い裁判が続きました。幸い、私には歌があります。生活のため5年前に日本に拠点を移し、SNSやホームページを通してファンの方々に支えられながら大好きな声楽を続けています。生き残ったからには、この経験を誰かの気づきに役立てたい。どうか、苦しむ人がひとりでも減るよう、心から祈っています。

※相談は市配偶者暴力相談支援センター【電話】042・772・5990などへ(午前10時から午後5時まで/火・木は6時まで)

さがみはら緑区版のローカルニュース最新6

園内でツツジが開花

【Web限定記事】

園内でツツジが開花

相模原北公園

4月24日

春と共に訪れる楽しい一日

【Web限定記事】

春と共に訪れる楽しい一日

相模湖やまなみ祭

4月23日

違和感察知し詐欺防ぐ

違和感察知し詐欺防ぐ

みずほ銀行に感謝状

4月22日

上九沢で「談地まつり」

上九沢で「談地まつり」

500人の来場でにぎわう

4月20日

二本松商店街が寄付

二本松商店街が寄付

能登半島へ義援金

4月19日

野菜栽培を体験

あっとほーむデスク

  • 8月19日0:00更新 文化

  • 1月11日0:00更新

  • 9月21日0:00更新

さがみはら緑区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月24日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook