橋本商店街協同組合(古橋裕一理事長)ではこのほど、視覚障害者が安心して外出できるよう製作された音声ガイドアプリ「ナビレコ」を使った歩行検証会を行った。同アプリの普及をめざす「(一社)音声ナビネット」(東京都/望月優理事長)は、「商店街という町全体に協力してもらっての検証会は初めて。フィードバックを通し、全盲の人でも一人で街歩きできるような環境を整えたい」と話す。
「ナビレコ」とは、音声や振動によって目的地まで案内してくれるガイドアプリ。自身も視覚障害のある望月氏が設立した会社が2016年に開発したもので、視覚障害者らの間で広がりを見せており、支援者らにより全国約1500ルートの音声ガイドが投稿されている(6月3日現在)。
地域に開かれた商店街運営をめざす同商店街は、ナビレコの普及活動を行う同法人に、アプリの使い勝手を検証するための会場協力を求められ、快諾。5月29日に同アプリを使用しながら商店街内を周遊する検証会が行われた。
当日は、視覚障害者5人とサポート役の晴眼者5人が参加。あらかじめ同法人が作成した、橋本駅から目的地である加盟店までの音声ガイド(3コース)を聞きながら出発。目的地到着後、「受け入れ側」のインドカレー屋や和菓子屋は、実際に食事の提供や接客を実施。その後アプリの使い勝手や受け入れ側の感想、課題などのフィードバックを行った。
店側にも「気付き」
検証後の共有会では、音声ガイドの中でより注意(声掛け)が必要なポイントや、案内速度のズレなどを確認。受け入れ側のインドカレー「eim's(エイムズ)」の担当者も、「初めて盲導犬連れの方に来店いただいたが、足元で静かに待っていて感心した。こうした検証活動を通してアプリや障害への理解が広まってほしい」と感想を述べた。同商店街協同組合は、「今回の取組みでは、受け入れ側にも様々な気付きがあったと思う。目の見えない人にも温かな街でありたいと思うと共に、このようなアプリを通し、道が複雑だが美味しい商店街の店を利用してもらえたら」と話している。
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