民生委員を21年間務め、2021年秋の褒章(藍綬)を受章した 天明(てんみょう) 信子さん 中央区相模原在住 77歳
無我夢中で駆けた21年
○…「長いこと取り組んだからご褒美なのかな」と受章を振り返る。1999年から21年間、清新地区の民生・児童委員を務めてきた。最後の6年間は同委員の地区会長という重責を担い、生活相談など地域の悩める人々の「支え」となるために尽力した。
○…子どもたちのドッジボールチームの監督や育成会の会長など、以前から地域に根差した活動を率先して行ってきた。そんな活動が認められ、自治会から民生委員へ推薦。しかし、「当時は民生委員の活動内容はあまり知らなかったから戸惑った」と苦笑い。「それでも地域のためになれば」と快諾した。いざ始めてみると、仕事量が多く大変な思いをした。「1人暮らしの人を把握する業務のほかにも、人生相談の相手になったりもした」と当時の活動を回想する。多忙だったがやめたいと思ったことは無かった。「地域の役に立ちたいという一心で、無我夢中だった」
○…最近の楽しみは、毎月第一火曜日に地域のシニアらが集い交流する「いきいきサロン」で折り紙を折ること。「大作を作って見せ合うのが楽しい」と微笑む。
○…一番印象に残っているのは東日本大震災の時。住民の無事を確認するために3日間活動し続け、不安な気持ちに包まれる人々の心を励ました。毎日地域と接する中で考えるようになったのは「福祉」について。近年では高齢の親が子どもの生活を支える「5080問題」などの社会問題に心を痛めている。そのような状況に陥った時のために「支え合い」が大事だという。「困ったことがあれば周りにどんどん話してほしい。そして他人事だと考えず、福祉を勉強して理解を深めてほしい」。長年地域を支え続けた功労者は、力強い声で思いをこめた。
|
|
|
|
|
|