相模原市は2019年に発生した「令和元年東日本台風」における災害対応の教訓を風化させず、今後の防災対策の強化に結び付けていくことを目的に、「令和元年東日本台風災害記録誌」を作成。7月1日に公開した。市危機管理課は「大きな災害が身近で起きたという事を再確認して、より一層防災意識を高めてもらいたい」と話す。
市は、東日本台風から2年経過した2021年10月、保有しているデータを基に記録誌の作成を始めた。「災害の概要」「被害状況」「初動対応・応急対策」「復旧・復興」の4つの章で構成されており、写真や表で当時の様子を説明。同誌は市役所や区役所の行政資料コーナー、市内の各図書館などに配架されているほか、ホームページでも見ることが出来る。各自治会連合会などにも配布されており、同課では「今後大きな災害があった時の参考になれば」と話した。
「早めの避難を」
台風における緑区の被害は旧津久井4町を中心に集中した。住家・非住家の被害は合計406件。土砂災害は津久井地区は105件、藤野地区は104件、相模湖地区は38件、城山地区は3件だった。
相模湖地区自治会連合会の会長を務める長谷川兌(とおる)さん(千木良在住)は、「こんなに被害を受けた災害はこれまで経験が無かった」と当時を振り返る。「斜面が崩れ落ちた影響で道が塞がったり、寸沢嵐の顕鏡寺では、土砂災害の影響で平安時代に作られた石室が壊れたりもした」と語り、「避難所が少なく、千木良小に100人ほどが集まり、停電も相まって混乱も起きてしまっていた」と当時の感想を語る。同自治連では災害の経験を踏まえ、毎年10月に行っている防災訓練で風水害対策の訓練を取り入れて実施。さらに、市と協力して避難所の数を2カ所増やすなど対策を強化する。長谷川さんは、「早めの避難が大事と被災して痛感した。台風災害記録誌なども参考に、いつ何が起きても大丈夫なように備えていきたい」と話した。
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