大島在住のプロボクサーで、日本フライ級1位の中谷潤人選手(21)=M.Tボクシングジム所属=が2月2日、後楽園ホールで行われた同級日本王座決定戦で、同級2位の望月直樹選手(横浜光)に9回23秒TKO勝ちし、第57代チャンピオンに輝いた。
中谷選手は、強烈な左ストレートを武器に全日本新人王、24歳未満の日本ユース初代フライ級王座などに輝き、デビュー以来この試合までで17戦全勝(12KO)。世界ランキングにも名を連ねる若手のホープで、昨年10月に同級王座挑戦者決定戦を制し、日本タイトルへの挑戦権を獲得していた。
日本フライ級は、前王者の黒田雅之選手が昨年末に王座を返上。空位となったタイトルをここでしっかりと手中にし、世界挑戦へと踏み出したい中谷選手は、正月返上で米国合宿を行い、師と仰ぐトレーナー、ルディ・エルナンデス氏のもとで準備を進めてきた。
相手の望月選手とは以前にスパーリングで拳を交わしており、「気持ちが強い選手」という印象を持って試合に臨んだ中谷選手。いざゴングが鳴ると、1ラウンド目からパンチを当て、試合を優勢に運ぶ。しかし、ポイントで上回りながらも、前に出て距離を縮めてくる望月選手をなかなかとらえ切れず回を重ねる。
それでも終盤、詰め寄る相手にアッパーを効果的に打ち込んでいき、迎えた第9ラウンド。開始早々にパンチを連続して当てると、レフェリーストップがかかって中谷選手のTKO勝ちが決まり、観客席から大きな拍手が湧き起こった。
家族で会場を訪れ、息子の勇姿を見守った中谷選手の父・澄人さん(43)は、「気持ちが熱い子。文句を言うことがなく、我が子ながら尊敬する。身近で一番サポートできる立場なので、応援し続けたい」と語った。
試合後に取材に応じた中谷選手は、「望月選手が打たれ強くて苦労した。良い選手だった。良い経験をさせてもらった」と勝負を振り返り、「日本人として日本タイトルは誇り。ボクシングを知らない人でも日本チャンピオンと聞けばわかってもらえる」と語った。
今後は未定。「世界に向けて、いつでも戦えるように準備する」と早くも次戦を見すえ、「技術的にまだまだ。チャンピオンで居続けるため、どんな相手がきても対応できるようにしていきたい」と話すも、「正月が無かったので、お雑煮を食べて正月らしいことをしたい。上にいくために集中して休んで、また練習をはじめたい」といくらか安堵の表情を浮かべていた。
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