「もし分かるのであれば各園の砂場の放射能値も聞いてみたい」。町田市法人立保育園協会の会長・河原幸子氏(赤ちゃんの家保育園園長)は言う。しかし続けて「ただ数値が分かっても、どうしようもない。その数値に対する評価も一緒になければ意味がない」。
同協会の理念は「子どもの幸せのために」。
福島原発で事故が起こった当初、市内のほとんどの保育園では園庭など屋外での活動を中止した。河原会長の保育園では約10日後に外遊びを再開した。東京都内の大気中の放射線量をインターネットで調べ、通常の値と変わらないことを確認してから、園児たちを外に出す。こういった情報があることを、保護者の方や他の園から聞き、情報交換をしている。各園で情報の取得方法、数値の基準は違うが、それぞれの園が園児たちの行動に基準を設けている。また、国や都、市からの情報も参考にしている。河原会長の保育園では、厚生労働省の指導に従い、0歳児に対して離乳食も含め市販の水を使っている。
もちろん、保護者からは「水道水は大丈夫か」「砂場で遊ぶのは平気か」「雨の日は心配」など様ざまな質問や意見が寄せられている。各園では個別に質問に答え、また入園に合わせての保護者会などで園の方針を伝え、保護者に理解を求めている。
放射能は子どもの方が影響されると言われる。小さな子どもがいる家庭では、なおさら放射能問題に敏感になるのは当たり前のこと。河原会長は「情報が十分かと聞かれれば、十分ではないかもしれない。自分たちの近くの放射能値が分かれば安心できるかもしれないが、その数値や情報を基に判断する知識も我々は十分ではない。だから”子どもたちの幸せのために”すべき対応を考えるしかない。そして保護者の皆さんが不安にならないように、各園で情報を共有して対応していきたい。保護者の皆さんも不安があるなら園に相談してほしい」と話している。
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