市内各地で口演を行なっている「ヤッサン一座」紙芝居師 岩村 かこ丸さん 玉川学園在住
元気に口演 地域に笑顔を
○…話の最中、観客からは手が次から次に上がってくる。”読まずに語る””双方向でアナログ”、それはまるで”つばのとぶテレビ”。客の世代に応じて変化する「見世語りスタイル」で町田市内を拠点に活動する紙芝居師。「親でもない、先生でもない、変な大人。紙芝居師っておじさんのイメージでしょう。おばさんはめずらしい!紙芝居を口演する時は大人も子どもも関係なく、目の前にいるお客様と常に対等の関係なんです」。
○…市内の短大を卒業後結婚し、横浜市で会社に勤務。その後子宝にも恵まれ専業主婦となっていた大きな転機は、長男の病気だった。長期入院生活が続き、回復のめどが立たない息子さんに笑顔をと、読み聞かせ、話などで毎日言葉をかけた。町田市立図書館や小学校で18年間お話し会に携わる一方で、紙芝居師オーディションを受け、2年前より関西で人気のヤッサンこと安野侑志氏に師事することに。以後、市内を中心に公共施設、病院、イベントなどで幅広く活動を行なっている。
○…今でこそ応援してくれている家族も当初、「本当にお母さんに出来るの?恥ずかしい」と心配されていた。紙芝居師としてスタートしたと同時に息子さんを亡くしたが、その葬儀はたくさんの仲間が訪れ、一座で紙芝居を披露。音楽やBGMで送り出し、シンミリと悲しいものとは無縁だった。「息子の生前にかけられた”いつも面白くしていて”との言葉を胸に口演を送る毎日。今では2人の娘にも、紙芝居に出会えて本当によかったねと言われます。」
○…今後も各地で継続的に出張を行なうとともに、将来は紙芝居小屋や教室を開きたいとも。そこで子どもたちが作った作品を発表するなどして、紙芝居の楽しさを感じて欲しい。また近々、自身で紙芝居の制作も行なっていく予定だ。「今年中に書き上げたい。様ざまな経験をしてきた私だからできる紙芝居を見せていけたら」。
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