防災の心構えについて語る 高山幸夫警防課長 「自宅は危険な場所になる」
9月1日「防災の日」に伴い、防災に関して市民が持つべき意識や対策について、町田消防署警防課長の高山幸夫氏にインタビューを行なった。
-防災で重要なこととは。
何よりも自分自身で自らの命を守る準備をしておくこと。東日本大震災で私たちは多くのことを学びました。しかし自分自身が被災者になるとは、想像できません。体験したことがないのだから。大型テレビが何メートルも飛んでくる、大きな戸棚が簡単に崩れ落ちる、火の海になる。そのようなことは夢にも思いませんが、その『夢にも思わないこと』を防ぐ準備をした人が助かるのです。ぜひ住宅用火災警報器の設置や家具・家電の転倒防止対策などを行なって下さい。
-市民が知っておくべき防災の知識を教えて下さい。
震災が起きたとき、最も危ない場所がどこかと問うと、「高層ビル」「地下鉄」「ガソリンスタンド」などといった答えが返ってきます。また、最も安全な場所は自宅と答える人が非常に多い。しかしそれは正反対です。危険だと誤認している場所は、設計の段階から綿密にチェックをし、何度も点検をしています。しかし、家内は全く縛りのない自由な空間。いつもいる場所は安心だから安全だと思ってしまい、つい対策も疎かになってしまうもの。その意識は変えてほしいです。
-最後に。
震災が起きたときに、最も力を与えてくれるのは『絆』。近所同士で、顔の見える関係を築いていってほしい。繋がる心は助けたいと思う心になります。繋がり合う町田にしていきましょう。
「被災地の現状」講演も
町田市中央地区商業振興対策協議会(石井幸隆幹事長)が東日本大震災被災地への復興支援継続を呼びかけようと8月18日、消防防災講演「東日本大震災における被災地の現況について」をぽっぽ町田で開催した。
当日は、実際に福島第一原発でハイパーレスキュー隊長(当時)として指揮を執った高山幸夫氏(現町田消防署警防課長)を招き、震災当時、現地でどのようなことが行なわれたのか、また現在の被災地の状況などを講演。町田駅前の各商店会会長らや店舗事業者・関係者ら30人ほどが集まる中、動画などを織り交ぜたスライドを見せ、当日の状況などを伝えた。
石井幹事長はあいさつの中で、「実際現地で公務を行なわれた高山さんのお話を皆さんとともに伺うことで、復興支援の意識を持ち続ける機会になればと開催しました」と話していた。
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